公開日 2021/12/07 13:50
変更日 2024/06/20 14:41
WATCHAのオリジナルショートフィルムプロジェクト『UNFRAMED/アンフレームド』の制作発表会が開催。新たな可能性を探る 4 人のアーティスト、パク·ジョンミン、ソン·ソック、チェ·ヒソ、イ·ジェフンが本プロジェクトに参加した想いを語るなどしたイベントの模様をレポート!
映画好きのための月額動画配信サービス「WATCHA(ウォッチャ)」のオリジナルショートフィルムプロジェクト『UNFRAMED/アンフレームド』の制作発表会がオンラインにて開催。オープニングでは、俳優というフレームを超えて新たな可能性を探る 4 人のアーティスト、パク·ジョンミン、ソン·ソック、チェ·ヒソ、イ·ジェフンが本プロジェクトに参加した想いを語り、直接メガホンを取って演出を手掛ける彼らの様子を収めたティーザー予告編を上映。その模様をレポート!
『イカゲーム』に続き、世界中で話題を呼んでいるNetflixで配信中の『地獄が呼んでいる』にも出演中のパク・ジョンミンはプロジェクト参加のきっかけはイ・ジェフン監督の電話だったという。「20 歳〜21 歳の学生時代に演出したことがあるのですが、その後の人生でそんな機会はないと思っていたので、とてもありがたかったです。あらかじめ書いていたオリジナルのシナリオを作品としてつくることができて嬉しかったです。」と話す。
『マザー』『最高の離婚』などに出演し、日本での知名度も高いソン・ソックはイ・ジェフン監督の事務所に遊びに行った時に、プロジェクトの話を聞き、それをチェ・ヒソにも伝えたそう。『金子文子と朴烈』『アジアの天使』などを代表作にもつチェ・ヒソは「アベンジャーズみたいなチームだと思って入りたかったです。」と話した。
このプロジェクトの発起人といえるイ・ジェフンは「以前から共同運営者でもある制作会社 HARDCUT を通じて様々なプロジェクトを進めていて、俳優が演出した映画を作ってみようと思いました。知り合いの俳優のなかで演出に関心がある俳優を集め、こうして作品を発表できたのは嬉しい驚きです。ご一緒できた皆さんに心から感謝しています。」と感想を述べた。
今回配信される4作品は、今年 10 月に行われた釜山国映画祭でワールドプレミア上映された。いち早くみた観客からの反響が大きかったと聞き、パク・ジョンミンは「今、初めて聞いて驚いています」、ソン・ソックは「上映会の雰囲気がすごくよかった。個人的に予想していたよりも良く、観客がこういう場面を面白がるんだと発見もあった」と嬉しい驚きを隠せない様子。
イ・ジェフンは「釜山国際映画祭は俳優にとっても夢の舞台で、そこに監督として参加できたのは名誉だと思います。このうえない機会だった」と振り返りました。チェ・ヒソは関係者試写を実施した際に「自分の作品を観るときには心臓が飛び出るかと思っ
た。私が監督しなければこの世に出ていなかった作品だと思うと、俳優として参加した時とはまったく違う、いい緊張感があった」と感慨深げに語り、最近、関係者試写を観たイ・ジェフンは「本当に緊張した。僕がオファーして出てくれた俳優たちにも誇りに思えるいい作品になったのかなと思います。このような場を設けていただき視聴者の方に挨拶できて嬉しい」と喜びを述べた。
ソン・ソック監督の『再放送』を観たパク·ジョンミンは「心地よい話題が続く作品だと思います。主演・助演ともに素晴らしい演技をしています。」「観ていて気分がよかったです。よもすれば重い感じになってしまう物語だとは思うのですが、ユーモアで繋げていく、今後も期待できる。驚きの映画でした。」と絶賛。
ソック監督が物語の着想を得たのは、ある結婚式場にて。叔母と甥かな?と思われる二人をみかけたそう。「親族や知り合いの結婚式なのか、そうでないのかはわからないけど、どこか疎外感を感じているようで、ぼーっと立っている様子が気になったんです。その二人が本当にそういう関係かはわかりません。ただその二人をみて、何か関係性をテーマに作品ができないかと思ったんです」と日常生活の些細な場面からシナリオに繋がったことを明かした。また「いろんな予算の制限もあり、最初は心配もたくさんありましたが、いろんな場面を盛り込みたいと思っていました。」と事情を明かし、ロードムービーという形でいろいろなシチュエーションを盛り込むにあたった理由を話した。
絶賛されたソン・ソックはチェ・ヒソ監督の『バンディー蛍の娘』を鑑賞。具体的な話はネタバレになってしまうのでできない、と前置きした上で「僕が観た感想は、子供から見たらこうなんだ、という視点で描かれている部分がいいと思います。パク・ソイの演技を見ること自体が癒しのようなフィーリングを感じました。」と高い評価を受ける子役のパク・ソイに言及した。
母親役として出演もしているチェ・ヒソとパク・ソイは、『ただ、悪より救いたまえ』に続く再共演。「この作品を作るのであればパク・ソイとやるべきと思いました。」とこだわりを明かした。本作はヒソ監督が3年前に書いたシナリオを映画化したもの。「引き出しの中にしまっていて今回はこれを制作しなければと思いました。」「派手なアクションなど刺激的な映画の方が商業映画には向いているのでシングルマザーの話は扱いにくいんですよね。ただ、シングルマザーの役を2回連続で演じる機会があり、この関係性をもう少し掘り下げた物語があってもいいな、それは私が書くべき、と思いました。」とシナリオへの自負を語った。
チェ・ヒソはイ・ジェフン監督の『ブルーハピネス』を3回も鑑賞したそう。
「今 20 代 30 代の⻘春を送っている人に共感を生む映画だと思います。私は3回観たのですが、見れば見るほどとてもしっくりくる作品で俳優チョン・ヘインの苦悩や悩みを表す表情が印象的でした。」と繰り返し視聴し作品の魅力にはまった様子を語った。
ジェフン監督は独特なプロセスで本作を制作。「いまを生きている人たちが何にハマり、何に熱くなっているのか、という単語をたくさん並べて、そこから物語を組み立てました。」と話し、短編映画なので、膨らみすぎないように⻘春というものを書いてみようと思ったと話す。主演はシナリオ執筆時から頭に浮かべていたというチョン・ヘインに依頼。運がよかったと振り返る。さらに本作のひとつのキーワード“⻘春”について「夢を追っている人たちは、挫折や努力してはいるけど夢が叶えられない現実を受け入れるのは中々難しい。そんな時、友人や知り合いに貰うアドバイスや声かけで変わってくる。そういう経験をした人に共感してほしい。」と語った。
イ・ジェフンがみたパク・ジョンミン監督の『学級委員⻑選挙』では、劇中音楽が印象的とのこと。「ヒップホップ!面白くてリズミカルな作品」「4作品の中で一番楽しくて面白いと思います。小学生の学級委員選挙を通して、現代社会を生きる人を描いた作品ですね」と述べた。
この“子供たちの世界を通して大人たちの世界を描く”という点はジョンミン監督の狙い通り。本作に欠かせない音楽を担当したのは韓国のラッパー、マミソン。ジョンミン監督は「映画を観た方に子供に対する観念を少し変えたいと思い、純粋ではないこともある、ということを描きたかった。それに対してどういう音楽が合うのかを考えて、ビート感やリズム感がある、ある種の肯定を崩す音楽が必要でした。悩んでいた時にラジオからイ・ヨンジさんのラップが流れてきて、何かがはじけて、マミソンいうミュージシャンを訪ねることになりました。」と経緯を話した。
パク・ジョンミン監督は27名の子役全員を自分でキャスティング&設定指導!
「オーディションではなく、27人の子供たちとミーティングを行いました。ひとつのクラスの子供たちなので、名前も役割もなくただ座って過ごすというのは避けたかったのです。そのためクラスメイト全員に自分の中学・高校の同級生の名前から役名をつけ、性格を与えてクラスの中での友達関係なども指導しました。僕の同級生が観たらびっくりすると思います。ひとりひとりがこの映画に対する責任感を持って参加してほしい、そういう現場にしたい、と。そういうことをしなくてもいいのかもしれませんが、責任感と自負を感じて欲しかったのです。」
4 人の監督の中で唯一、演出と演技、二足の草鞋を履いたチェ・ヒソ監督。「不思議な感覚でした。今になって考えるといい選択だったと思います。どちらかというと演技は半分諦めて、演出に力を入れた気がしています。どちらも同時に一生懸命にはなれないので、あまり欲張らないという選択がかえって良かったのではないでしょうか。」
主役のチョン·ヘインから、長文のメッセージをもらったというイ・ジェフン監督。「チョン・ヘインがシナリオを読んで「今を生きる人たちに、寂しくはあるけど人々の共感を得ることができる物語ではないか」と言ってくれました。いろいろな角度から彼の演技を作品に込めたい欲があり、さらに掘り下げて深く探究してみたい、そういった感情を込められる作品になってほしい、という気持ちがありました。」
『UNFRAMED/アンフレームド』
12 月 22 日(水)より WATCHA にて独占配信開始