サスペンスに満ちた大統領選挙戦を描く『キングメーカー大統領を作った男』（8月12日より全国順次公開）

レビュー

公開日 2022/07/06 18:00

変更日 2024/06/20 20:02

本作は第15代韓国大統領、金大中（キム・デジュン）と選挙参謀だった厳昌録（オム・チャンノク）による実話を下敷きに韓国の大統領選の裏側を描いた社会派作。第58回百想芸術大賞で最優秀男性演技賞（ソル・ギョング）、監督賞（ビョン・ソンチャン）、男性助演賞（チョ・ウジン）賞の3冠に輝いた秀作をご紹介します。

◇ストーリー

長きにわたる独裁政権の打倒を目指す政治家キム・ウンボム（ソル・ギョング）と、その理想に共鳴した影のブレーン、ソ・チャンデ（イ・ソンギュン）。

現職大統領率いる与党と比べてカネもなければ人脈もない。ないないづくしのウンボム陣営のために、チャンデは誰も思いつかなかった大胆な戦略に打って出る。

それはネガティブキャンペーンから詐欺まがいの贈賄工作まで、勝つためにはどんな手段も辞さない汚いやり口。

強大すぎる敵を倒すためには毒をもって毒を制するしかない。

チャンデの覚悟はある爆破事件を引き起こし、ウンボムとチャンデの共闘関係にも最大のピンチが訪れる――。
（公式サイトより）

※金元大統領は韓国の民主化を主導し、朝鮮半島の分断後、初の南北首脳会談を実現したことが評価され2000年にノーベル平和賞を受賞。73年に日本で拉致されるなど激しい弾圧を受けながらも、民主化を訴え続け98年に大統領に就任。また、韓国を襲ったアジア通貨危機を克服。「未来志向的な関係発展」をうたう日韓共同宣言に小渕恵三首相（当時）とともに署名し、日本文化の開放政策も進めた功労者なのです。