COLUMN コラム

初回放送から3年。配信で再評価された名作『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』の魅力を紹介

公開日 2021/07/03 16:20

変更日 2024/06/20 21:23

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2018年、韓国tvNで放送された『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』。当時はそれほど大きな反響がなかったドラマが配信をきっかけにブレイク。 『ミセン-未生-』『シグナル』のキム・ウォンソク監督、イ・ソンギュン、IU主演によるヒューマンドラマの魅力をご紹介します。

2018年韓国tvNで放送された『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』は、イ・ソンギュンとIUという人気俳優の主演ながら、放送当時は、タイトルのイメージから“年の差恋愛モノ”や“不倫モノ”だと誤解され、製作発表会も開かれないほどだったそう。ところが2年ほど経ってNetflixで配信されたことをきっかけに、ドラマの真の魅力を見つけた人たちによって拡散され、ブレイク。日本でも現在配信サイトのほか、BS朝日で放送されています。

あらすじ

建設会社で働くドンフンに、ある日、差出人不明の5000万ウォンの商品券が届く。直前に母から、無職の長男のために、家を売って食堂をやらせたいと相談されたドンフンは、それを受け取ってしまう。翌日、ドンフンは匿名の告発を受けた監査部から調査を受けることに。しかし、商品券は彼の机からこつ然と消えており、ドンフンは答えに窮する。すると、突如商品券がビルのゴミ置き場から見つかる。ドンフンは「5000万の商品券を捨てた男」として社内で英雄扱いされることに。商品券を捨てたのは契約社員のイ・ジアンだと知ったドンフンは、自分が捨てたことにしてほしいと彼女に頼む。すると、ジアンから交換条件として1カ月間食事をおごってほしいと言われてしまう。実は、ジアンは、ドンフンの妻ユニと不倫関係にある社長ト・ジュニョンからお金をもらうため、ドンフンを陥れようとしていた。そうとは知らないドンフンは、ジアンに関わるうちに彼女が多額の借金を抱えていることや、孤独な人生を歩んできたことを知り、少しずつジアンを助けるようになる。そんなドンフンの優しさに触れるたびに、ジアンの心は少しずつ揺らぎはじめ…。

出典元:https://www.bs-asahi.co.jp/mydearmister/

みどころ

『コーヒープリンス1号店』でブレイク、最近では『パラサイト』で注目のイ・ソンギュンと、歌手としても活躍するIU主演のヒューマンドラマ。声も魅力的なイ・ソンギュンが家族も部下もおもいやる、ちょっと不器用な大人の男を好演しています。一方、IU演じるジアンは、暗い過去を抱え日々生きることに精一杯の女性。お金のためなら危ない橋も渡ることも辞さないのですが、あるきっかけでドンフンや周囲の人々と関わりを持ち始め、少しずつ人の温かさを知っていきます。
また、ドンフンの後輩であり、若くして社長の座に上り詰めたト・ジュニョンを演じるのは、『愛の不時着』の“耳野郎”で注目を浴びたキム・ヨンミン。ドンフンの妻であるユニと不倫関係にあり、保身のためにドンフンを貶めようとする狡猾な役で“耳野郎”とは全く違う表情を見せてくれます。

最近はセレブを主人公にした華やかなドラマも多いですが、『マイ・ディア・ミスター』は、現代社会に生きる普通の人々が主役。会社内の派閥争いや、家族の絆、社会問題など、さまざまな世代にヒットするストーリーが網羅されたドラマです。
監督をつとめるのは日本でもリメイクされたヒットドラマ『ミセン-未生-』『シグナル』の監督であるキム・ウォンソク。キャスト陣の信頼も厚く、イ・ソンギュンは「キム・ウォンソク監督作品ならぜひ」と、台本も読まずに出演を決めたそう。
監督自身も「男性視聴者も一緒に楽しめるドラマ」を作りたい、とドラマにありがちな「仕事ができる完璧な男」や「愛らしいヒロイン」にはしなかった、とのこと。韓国ドラマの常識にとらわれず物語を展開させれば、ユニークなドラマになると思った、と語っています。
たしかに序盤、冬場に撮影されたこともあって画面も暗く、会社の派閥争いに巻き込まれたり、家族の問題に直面したりと一見暗い作品に見えますが、だんだん「人の温もり」を感じて心が温かくなるドラマです。

キャスト紹介

パク・ドンフン/イ・ソンギュン

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ベテラン社員。45歳。以前は花形の設計チームにいたが、現在は日陰部署である安全診断3チームの部長として黙々と仕事をこなしている。退屈でも安定した今の生活を維持することが第一。人望もあるが目立つのが嫌いで、社内の派閥争いとは一線を引く。人情あふれる町フゲで育ち、困った人を放っておけない。同じフロアで働くジアンのことが気になり、近所に住む彼女を気に掛けるように。妻の不倫には気づいていない。

イ・ソンギュン プロフィール

1975年3月2日生まれ。2001年ドラマデビュー。『白い巨塔』『コーヒープリンス1号店』(共に2007年MBC)で人気俳優に。映画『パラサイト』(2019年)では金持ち一家の父親役。『パスタ』(2010年MBC)、『ゴールデンタイム』(2012年MBC)など。

イ・ジアン/IU(イ・ジウン)

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派遣社員。21歳。多額の借金を返済しながら独りで祖母の面倒を見ている。昼は会社で雑用、夜は皿洗いをしており、常にギリギリの生活。過酷な環境で育ったせいで人一倍不信感が強く、誰にも心を開かない。不愛想で他人に興味がなさそうに見えて実は勘が鋭く、常に周囲を観察している。ある目的からドンフンに近づくが、初めて出会ったまともな大人である彼の人柄に触れて変わっていく。

IU(イ・ジウン) プロフィール

1993年5月16日生まれ。2006年歌手デビュー。2011年以降は音楽活動と並行して俳優としても活躍。次回作の映画『ドリーム』ではパク・ソジュンと共演。是枝裕和監督の『ブローカー』にも出演。『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』(2016年SBS)、『ホテルデルーナ』(2019年tvN)など。 韓国では俳優活動する時には本名の「イ・ジウン」を使用している。

ト・ジュニョン/キム・ヨンミン

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サムアンE&C代表理事(社長)。5年前に若くして社長に就任した。対抗するワン専務と再任をかけて争っており、裏工作に余念がない。ドンフンは大学の先輩だが、会社では自分の方が地位が上のため気まずい関係。昔から自分と違って人に好かれるドンフンにコンプレックスを抱いており、彼の妻ユニと不倫している。

キム・ヨンミン プロフィール

1971年11月5日生まれ。20代後半で舞台デビューして以来、演劇界で主演俳優として活躍。本作を機に知名度を上げ、『愛の不時着』(2020年tvN)では盗聴担当の北朝鮮軍人“耳野郎”を好演した。

カン・ユニ/イ・ジア

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ドンフンの妻。42歳。弁護士。大学の先輩だったドンフンと結婚し一児をもうけるが、今では夫のドンフンがもどかしくてたまらない。夫が自分の家庭より兄弟や地元の人との付き合いを優先するため寂しい思いをしており、その反動でジュニョンと密会を繰り返す。

イ・ジア プロフィール

1978年8月6日生まれ。2007年、デビュー作『太王四神記』(MBC)での新人らしからぬ演技が評判に。『ベートーベン・ウィルス』(2008年MBC)、『ATHENA』(2010年SBS)などで主演。『ペントハウス』シリーズ(20~21年SBS)での圧巻の演技が話題に。

俳優 女優 韓国ドラマ

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