公開日 2023/07/22 20:00
変更日 2024/06/21 10:32
MILAN, ITALY - SEPTEMBER 22: Kim Taeri attends the Prada show during Milan Fashion Spring/Summer 2023 on September 22, 2022 in Milan, Italy. (Photo by Jacopo M. Raule/Getty Images for Prada)
連日40度近い灼熱の夏は「納涼作品」にドップリ浸って!怖くてゾクゾクするのに続きが気になり止められない…そんな真夏にピッタリな、キム・テリ主演『悪鬼』がディズニープラススターで6月23日から配信中。『二十五、二十一』で爽やかな青春恋物語を演じて人気沸騰のキム・テリ最新作品の面白さをお届けします!
扉の外は別世界だ。扉を開けると、そこには悪鬼がいる。
悪鬼に取り憑かれた女と、その悪鬼が見える男が、5種類の神体を取り巻く疑問の死を暴くオカルト・ミステリー。
亡くなった父親の遺品を受け取って、悪鬼に取り憑かれた貧しい生まれのク・サニョン。
鬼と神を見ることができる民俗学者ヨム・へサンと出会い、悪鬼に関する真実を追いながら、
自分が知っていた世界とは全く違う世界と向き合う物語。
キム・テリの豹変する表情にゾクゾクさせられます…!
本作は韓国の民俗学とオカルトを融合させたオカルトミステリー作品とうたわれていますが、ただのオカルトものじゃない面白さなんです…!オカルトやホラー作品にありがちな、血塗られた強烈な映像描写で度肝を抜かされたり、突然の大音量で心臓が飛び出そうになるような怖さではなく、日本の怪談話のように、ゾゾゾと背筋が凍るような恐ろしさ…そこに謎解きの要素が絡み合い、怖いのに面白くて、続きが気になり止められないんです。
まずは、物語の世界に一気に引き込まれるオープニングなんですが、初めて見ると満月のように見えるモノの目がまずコワいんです…!ヒーッ!と縮こまりそうな中、墨絵のようなイラストがまた恐怖を誘います。オープニングのイラストたちは物語の中の重要なものを暗示していて、ストーリーが進むにつれて初めて見たときとは違う視点で見ることができるようになっていきます。 月だと思っていたものが、実は物語の中で重要な役割を果たすモノであったり、全く関係ないようなイラストの数々が点であり、点と点が繋がっていくさまがどんどん観るものを惹き込んでいきます。
主演を演じるのは、キム・テリ。大ヒット青春ラブストーリー作品『二十五、二十一』で高校生のフェンシング選手ナ・ヒド役を30代で違和感なく演じて多くの視聴者を虜にし、第58回百想芸術大賞の最優秀演技賞並びに人気賞を受賞しました。ナム・ジュヒョクを相手に、超ド級の胸キュンと“トンネルから出られない”多くの切なさ廃人を爆誕させたのは記憶に新しいところです。
本作では25歳のク・サニョンを演じています。サニョンは、貧困に喘ぎながら昼はアルバイト、夜は公務員試験の勉強と、青春真っただ中に日々の生活に追われながら暮らしているのですが、振り込み詐欺に遭いどん底に突き落とされてしまいます。
そんなある日、両親の離婚後から関係が途絶えていた父が亡くなった知らせを受けて父の実家へ出向きます。サニョンへの形見だという“髪飾り”を受け取ると、サニョンは「悪鬼」に憑りつかれてしまうのです…!
ここからキム・テリが一人二役で普段のサニョンと悪鬼になったサニョンを演じ分けるのですが、表情、眼の光、声色、オーラまで全てがサニョンと悪鬼サニョンでは別人で、圧巻演技に没入させられます!
悪鬼に憑りつかれたサニョンを救うべく、パートナーとして悪鬼の謎を追うのは、『サイコだけど大丈夫』で自閉症スペクトラム障害のサンテを演じた演技派のオ・ジョンセです。オ・ジョンセが演じるのは、悪鬼に母を殺された民俗学教授のヨム・ヘサン。ヘサンは、悪鬼のことを調べていたサニョンの父ク・ガンモ元民俗学科教授から、娘サニョンを頼むという手紙をもらい不審に思います。
霊が見えるヘサンはサニョンの姿に悪鬼が憑りついていることに気づき、サニョンとともに悪鬼退治に乗り出します。自殺に見せかけて、悪鬼に母を殺されたヘサンは、悪鬼が次々に人を殺していることをサニョンに告げます。
悪鬼は人の心の弱みにつけ込み、その人を取り込むとヘサンはサニョンに教えますが、悪鬼はサニョンのお金が欲しいという思いや、虚栄心を利用してサニョンを取り込んでいきます。
『悪鬼』を観る日本のファンに向けての特別インタビューが嬉しいですね…!
悪鬼の姿は影にしか映りません。しかし、その姿はギリシア神話における怪物メドゥーサを思わせるような逆立ちうごめく髪で、思わず「こわっ!」と言いたくなります。サニョンは悪鬼によってどんどん意識のない時間が増えていきます。その間にサニョンを乗っ取った悪鬼は、次々にサニョンの闇の部分を増長した行動をして彼女を追い詰めていきます。
ヘサンとサニョンは協力して悪鬼を追い詰めるべく、悪鬼の名前を調べるうちに、サニョンの父ガンモも悪鬼に憑りつかれていたことがわかります。さらに悪鬼が、昔ある村で生贄として捧げられた子供であること、その子供を一族の繁栄のためにヘサンの祖父母が利用したことを知ったヘサンは、ダークサイドに落ちていきます。
サニョンとヘサンとして、キム・テリ×オ・ジョンセが悪鬼によって追い詰められダークサイドを見せる演技に目が離せなくなります。悪鬼として人の不幸を愉しむ姿を見せるサニョンを演じるキム・テリは、狂気の光を宿した眼差しで、人が苦しむ姿に悦楽の表情を見せる姿が秀抜です。
さらに悪鬼が生まれた真実を知ったヘサンは、闇に飲み込まれそうになり魂が抜けたようになってしまうのですが、身体からみずみずしい輝きが失われ、枯れ木のように見える、そのオ・ジョンセの名演技に目を見張ります。
さらに、サニョンとヘサンとともに悪鬼が起こした事件を追う刑事に、名バイプレーヤーのキム・ウォネ、『弱いヒーロー Class1』で大注目のホン・ギョン(サニョンとの恋のようなものもあるかと期待中です…!)、ヘサンの祖母にキム・ヘスクと、脇を固める俳優陣も豪華で見応え抜群です。
本作は、『キングダム』『シグナル』などの大ヒット作品を生み出した韓国の人気脚本家のキム・ウニと、『VIP』のイ・ジョンリム監督による作品で、多くの伏線が張り巡らされており、ドキドキハラハラする展開と、謎解きの面白さ、韓国民俗学オカルトによるコワさがたまらないスリラーです。
悪鬼は「扉」を開けることで人を死に追いやるのですが、「扉」の向こう側に悪鬼が憑りついている人が立っているのは、震えるような怖さです。「扉」をドンドンと激しく叩く音が聴こえると、「お願い!開けないで!!」と願ってしまいます!
本作でゾクゾク身震いする、“怖くて面白い”そんな感覚をぜひ体感してみてください…!
■配信情報
『悪鬼』
ディズニープラス スターにて独占配信中、毎週金・土に2話ずつ配信
出演:キム・テリ、オ・ジョンセ、ホン・ギョンほか