COLUMN コラム

BTS JIN&相葉雅紀による保護犬トリミングが意義あるものに。エンタメ史に記録すべきライフワークを読み解く

公開日 2024/09/14 15:00

変更日 2024/09/14 15:00

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先日の『24時間テレビ47 愛は地球を救うのか?』(以下:『24時間テレビ47』)(日本テレビ系)で放送された『相葉トリミングin韓国』の完全版が、相葉雅紀MCの動物バラエティー番組『嗚呼!!みんなの動物園』(日本テレビ系)で9月7日に放送された。7年間で78頭の保護犬たちをトリミングしてきた相葉が、韓国の保護犬施設を訪れる。今回のパートナーは、犬や猫が大好きなBTSの最年長メンバーJIN。日韓を代表するワールドワイドスター初タッグによって、相葉がライフワークとしてきた保護犬トリミングが、さらに意義あるものとなる。イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が読み解く。

JINが発する「ワンワン」に魅了される

BTS JINが今年の6月に兵役を終えて初の日本のテレビ出演というだけでかなりワクワクするけれど、同グループ最年長メンバーであるという以外、恥ずかしながらJINについてほとんど知らないぼくからすると、『24時間テレビ47』で放送された『相葉トリミングin韓国』出演が、彼に心底惚れ込むきっかけとしては十分過ぎた。

とりもなおさずJINが発する日本語に魅了されてしまった。韓国の保護犬施設を訪れた相葉雅紀を快活に迎え、施設付近で犬たちの鳴き声が聞こえて「いまワンワンですね」と発音する。犬それ自体とも犬の鳴き声とも翻訳できるその「ワンワン」。響きが可愛らしいとかそんな単純なことじゃない。例えば、韓国人アーティストが日本の音楽番組に出演したとき、「ありがとうございます」が「ありがとごじゃいます」と発音されて感じる可愛さなんてステレオタイプなものでしかない。JINの「ワンワン」は、これ一発で視聴者を魅了するばかりか、彼が世界的スターである事実を瞬時に理解させる合言葉とでもいうのかな。スターの記号性みたいなものをさりげなくまとわせている。

所謂「BTS法」によって30歳になる年の年末まで入隊期限が延長されたJINが、2020年12月4日の誕生日にリリースしたソロ曲「Abyss」は、歌モノとして聴かせようとするシンセポップのサウンドが宇宙的だと感じた。ワールドワイドハンサムという代名詞を自らつけてしまうたわむれのBTS長男が、こんなにも深淵な世界へとぼくらを誘ってくれるのである。『相葉トリミングin韓国』でも登場テロップで表示されるくらいワールドワイドに、いや宇宙的次元でこの代名詞が浸透しているんだなと思ったりするが、「ワンワン」を足がかりとして相葉とやり取りする他の日本語の抑揚の心地よさにどっぷり浸かっていると、この抑揚も宇宙的な浮遊感かもしれないと思ってしまう。

ライフワークとしてきた動物たちとのふれ合い

一方、我らが相葉ちゃんこと、相葉雅紀のカッコよさだって世界の共通理解。嵐のライブ映画『ARASHI Anniversary Tour 5×20“Record of Memories”』(2021年)の堤幸彦監督にインタビューしたとき、相葉君が一番カッコいいんだよと何度も繰り返していたことをふと思い出す。あるいは2019年、アメリカの映画評論サイト『TC Candler』のアジア版『TCCAsia』が発表した2018年版「アジアで最もハンサムな顔」では11位にランクイン。このランキングを素直に信用するならば、相葉雅紀はワールドワイドハンサム日本代表ということになる。しかもそのハンサムなカッコよさは、ただ見た目だけの話ではもちろんなくて、優しげで温かなほっかほかの内面世界に裏打ちされている。

動物が心を開くのはその人間の心が温かいからだとよくいうけれど、相葉がライフワークとしてきた動物たちとのふれ合いには、ちょっとやそっとの優しさや温かさ、感動を超えた頼もしさがある。『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系、2004〜2020年)出演以来、園長・志村けん仕込みの開心術が、これまでに7年間で計78頭の保護犬たちをトリミングする中で実践的に深められている。ひとたび相葉が動物たちの群れに入れば、そこに溶け込みながらふれ合いの接点を自然と作っていく。いつでもどこでもそこに動物がいるならば、たちまちふれ合いパーク的な輪を描いてしまえる。これもまた宇宙的なつながりだと思う。

ではそれが『天才!志村どうぶつ園』やその後継番組『嗚呼!!みんなの動物園』だけで見られる光景かというとそうではなくて、2021年に放送された主演ドラマ『和田家の男たち』(テレビ朝日)でもライフワークを生かしたセルフ・プロデュース的なエピソードとして織り込まれていた。第1話で、相葉演じる和田優(名前が優しい!)がネットニュース記者となって訪れた取材先が、アルパカの里だった。相葉が役柄をうまく包み込みながらアルパカと素肌で接する機会がドラマ作品の画面上でも実現してしまう。作品全体として考えても、相葉雅紀による相葉雅紀のための相葉雅紀的な小宇宙が柔らかに、優しげに形成されるようなトーンが感じられた。

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24時間テレビ BTS JIN ジン みんなの動物園 相葉雅紀 防弾少年団

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加賀谷健