公開日 2025/01/19 12:00
変更日 2025/01/19 12:00
Netflix Series Squid Game Season 2 SAG Screening & Q&A NEW YORK, NEW YORK - DECEMBER 16: Lee Jung-jae attends the Netflix series Squid Game Season 2 SAG Screening & Q&A at Metrograph on December 16, 2024 in New York City. (Photo by Mike Coppola/Getty Images for Netflix)
Netflix(ネットフリックス)のメガヒット韓国ドラマ『イカゲーム』のシーズン2がついに配信! 公開後、日本を含む世界の配信ランキングで1位、さらに1,600憶円を超える莫大な利益額が公開されるなど話題を呼びました。そこで本記事では、『イカゲーム2』の魅力を年100本視聴ライターのERRYが独自の視点で徹底解説! 「賛否両論は想定内」と話す監督のコメント、現地の反応も紹介。内容はネタバレを含みますので未視聴の方はご注意ください。
配信前にも関わらず、アメリカの〈ゴールデングローブ賞 テレビドラマ部門・作品賞〉にノミネート。本国の話題性ランキングにも配信の1ヵ月前からランクインするなど高い注目を集めた『イカゲーム2』。
公開後、日本を含む世界90カ国以上で1位を記録。収益は1,600億円以上と予想され「やはり面白い」「年明けから最高にエキサイティング!」とSNS上には賞賛の声が。一方で「期待以上ではなかった」など、厳しい意見も聞こえました。キャストはもちろん、ストーリーにも大きな変化があったシーズン2。なぜ賛否両論だったのか、公開後のインタビューで「賛否両論は予想していた」と語ったファン・ドンヒョク監督の真意とはー。作品の裏に隠された想い、本作の持つ魅力を独自の視点から解説します。
借金を持つ人生崖っぷちの人々が、大金を懸け命懸けのデスゲームに挑む。昔懐かしい遊びが残酷なルールで再現され、敗者は容赦なく命を奪われていく。主人公のギフンは苦しみながらも勝利を掴むが、生き残った代償は重く、仲間を失った悲しみ、ゲームの主催者が娯楽のため人命を弄ぶ現実に愕然とする。シーズン2では、ギフンがゲームを阻止するためその裏側に足を踏み入れ、主催者への復讐を決意。新たな参加者たちも生き延びるための熾烈な戦いを繰り広げる。生存と人間の尊厳を問う物語の結末とは…?
シーズン2の幕開けを飾るのは、人生初の悪役に挑んだコン・ユ。シーズン1では少ししか顔を見せなかったスカウトマンが、シーズン2では存在感抜群! サイコ染みた役を見事な狂気っぷりで体現し、視聴者を物語へと引き込みます。スカウトマンを追うイ・ジョンジェと序盤から展開される”命がけのゲーム”。「イカゲームが帰ってきた!」と感じる生死をかけたゲームと、優雅なクラシック音楽が織り成すアイロニーな演出が加わり、独自の世界観を再び鮮明に。その迫力たるや素晴らしく、圧倒されてしまうこと必至です!
さらに注目は、参加者として登場するイ・ビョンホン。腹の内が読めない巧みな演技に何度もハラハラさせられ、改めてベテラン俳優の実力に感服! 吸い込まれました。他カン・ハヌル、イム・シワン等主演級俳優による贅沢な演技対決は必見です。
シーズン2では、主人公であるギフンに加え、ピンクガード・ノウルの視点、そしてヨンイルに変装したフロントマン・イノの視点が加わり更に劇を盛り上げます。それぞれの視点、立場に立って視聴するとまた違った楽しみが…! 何度観ても新たな発見があり、まさに“スルメイカ”状態!
ゲームを止めるため再び立ち上がったギフンの物語は、おそらく多くの視聴者が経験済みの視点。彼の行動の真意は物語の中で描かれているので、その葛藤、彼を知る新キャラ・ジョンベの姿を通じ、ギフンと、ギフンに込めた監督の考え(※後述)に深い納得感が得られるはず!
ノウルは運営側であるピンクガード(衛兵)として登場します。一見、他の参加者と同じようにスカウトされたと思わせつつ、実はスパイとして参加していたという驚きの反転が。
ピンクガードたちが”だるまさんがころんだ”で見せる銃の腕前。その高いスキルに「彼らは一体何者なのか」「なぜこんな残酷なことができるのか」とシーズン1の時から疑問に思っていた筆者ですが、その謎がシーズン2でノウルを通じ徐々に明かされていきます。
最初は冷酷な衛兵としてノウルを見ていても、背景や信念を知るにつれて単なる「残虐な存在」以上の人間らしさに共感してしまうことも。宿舎や上下関係まで描かれ、ノウルを含む運営側の新たな視点はまた違った魅力を発揮します。
シーズン1のラストに衝撃を与えた彼が、まさかの参加者として登場した時は筆者も度肝を抜かれました。と同時に、「何を企んでいるのか」「なぜ参加者となったのか」気になりながら視聴した人も多いはず。
一番の理由と考えられるのは、ギフンの阻止。しかし、そうとも思えない言動があったりなかったり…。シーズン2ではその答えは明確にされませんが、ゲームを進める中で、彼の中にある少しの良心が垣間見える場面もあり、複雑な感情を抱いていることが見て取れます。
しかし、冷静に考えると恐ろしいイノ。
シーズン2の新ルール、同意書第3項。「過半数の同意で中断可能」という、民主主義的な制度の追加により敵味方が明確に分けられ、激しい戦いと対立が起きます。これも恐らく運営側、フロントマンの仕掛けなのかと思うとゾクッ。なぜなら彼は全てを知った上で参加しているはずだから。
さらに巧妙なのは、コマ回し。成功する最後のコマ回し以外、利き手ではない右手で回しわざと失敗したりと芸が細かいのです。
イノの視点に集中して観ると、些細な目の動き、言動を疑ったり納得したり、とにかくハラハラさせられます。筆者としては彼の視点に立って観るのが一番エキサイティングだったのでおすすめ。真意が見え隠れするイ・ビョンホンの卓越した演技と相まって最高に楽しませてくれます。
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気づけば毎年100本越えの韓国ドラマ&映画を視聴しているライター。 韓国語能力検定試験6級。 チャウヌ(ASTRO)、キム・ナムジュ、ティファニー(少女時代)個別インタビュー チ・チャンウク、パク・シネのファンミーティング取材 WEBマーケターをしながら、韓国ドラマや商品の魅力を広く発信しています。 チェックリストの選定に役立つ情報や、最新トレンドをお届けします。