公開日 2023/05/08 20:30
変更日 2024/06/20 14:33
Fans with raised arms at music Festival
相葉君は、ほんとうに「カッコいい」。つい何度も呟いてしまう。「嵐」のメンバーとして日本の国民的スターでありながら、温かい人柄がにじむ。日本からアジアへ、そして世界へ向けて相葉雅紀による“相葉マジック”を伝える。
アジアの顔、相葉雅紀を考えると、特に活動休止後の彼には、ひとりのアーティストがたどり着いた悟りの境地を感じる。活動休止以前と以後で、「カッコいい」の共通認識は変わらないにしろ、休止後の佇まいには漠然とではあるが、特別なものを確かに感じる。
なのでここからは、「嵐」活動休止後の相葉に話題を絞り、代表的な2作品を取り上げてみたい。まずは、主演ドラマ『和田家の男たち』(テレビ朝日系、2021年)から。『和田家の男たち』 は一言で言うなら、フィクションの世界を借りながら、相葉の自分史が刻まれるかのようなドラマ作品だった。あんなに相葉君の魅力を引き出した映像作品が他にあるだろうか? ドラマ全話、全編、毎秒ごとに、相葉マジックを感じる。主人公・和田優は、彼にしか演じられない役柄だった。まるで天然素材のような相葉の笑顔を振りまく奇跡的な役柄は、毎話に必ず相葉を象徴するトピックが織り込まれるのがミソ。相葉雅紀セルフプロデュースと言ってもいいくらい、相葉本人の魅力が毎話のエピソードで引き立っている。
毎朝、優が朝食を作る場面から始まる本作では、みそ汁に味噌を溶いたり、大根やニンニクを磨り下ろし、菜の物をあえる日常の音から多幸感がダダ漏れる。祖父の和田寛(段田安則)が夕食はすき焼きがいいとワガママなリクエストをすれば、すぐに応えられる料理上手は、人気の料理バラエティ番組『相葉マナブ』(テレビ朝日系)で目にする光景と一致する。食卓で息子・秀平(佐々木蔵之介)と孫を前に独自のメディア論を展開する寛のローブのボタンが取れかかっていたのを、得意の裁縫でちゃちゃっとボタン付けするのもお手の物。WEBメディアの記者となった優がアルパカの里への取材で動物と触れ合う姿は、『天才!志村どうぶつ園』(2004〜2020年、日本テレビ系)で培ってきたライフワークを物語る(しかも今や『嗚呼!みんなの動物園』で園長に!)。
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修。 クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。 女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、 テレビドラマ脚本のプロットライターなど。2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。