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完全無欠の日本滞在だったBTSテテが放つ歴史的名盤。もはや18禁レベルのニューEP『Layover』を解説!

公開日 2023/10/20 11:45

変更日 2024/08/28 15:23

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K-POPアーティストのカテゴライズを超えてきたようだ。ここまでパーソナルな物語として楽曲を紡ぎ、過去と現在のR&Bシーンをつなぐ「BTS」V(以下、テテ)。そのニューEP『Layover』は、間違いなく歴史に残る名盤ではないだろうか?

 これは参った。世界的な熱狂からしてもチャート・アクションの観点からしてもBTSのジョングクが7月14日にリリースした「Seven(feat.Latto)」で決まりだなと思っていたら、伏兵が現れたのだ。しかも同じグループのメンバーから、グクと人気をほとんど二分していると言ってもいいテテこと、本名キム・テヒョン、VのニューEP『Layover』(9月15日リリース)。

 もう一度言おう。これはほんとうに参った。3〜4オクターブの音域を誇るテテが、特別メロウネスに感じる楽曲をドロップし、その節々で低音までしっかり響かせる。世界的なヒットドラマ『梨泰院クラス』(2020年)に提供した「Sweat Night」でも冒頭からアコースティックギターの伴奏に合わせてしわがれ声に近い低音を渋くも色っぽく震わせていたではないか。それが今回のEPでは、例えばリード曲「Slow Dancing」なんて、もう色気の極地。もはや18禁レベルのX-ratedナンバー。

 ぼくが一番気に入った「Love Me Again」は、トラックタイトル自体、エルトン・ジョンが二度目のアカデミー歌曲賞(第92回)に輝いた『ロケットマン』(2019年)のエンディングテーマ曲と同じ。サウンド面としては、H.E.R.やケラーニ、UMIなど現行のR&B女性シンガーへの目配せか。いやはや、テテ、何から何までやってくれるじゃないか。リリース当日だけで167万枚のセールスというから、やはり18禁レベルのギネス記録的なニューリリースとして歴史的に記憶されるだろう。

BTS

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WRITER INFOライター情報

加賀谷健

コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修。 クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。 女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、 テレビドラマ脚本のプロットライターなど。2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。