公開日 2023/11/29 20:00
変更日 2024/08/29 17:38
SUNGNAM, SOUTH KOREA - OCTOBER 19: South Korean actor and model Nam Joo-Hyuk aka Nam Ju-Hyuk signs autographs for fans for 'CHOPARD' Parfums at Hyundai Department Store on October 19, 2019 in Sungnam, South Korea. (Photo by Han Myung-Gu/WireImage)
韓国ドラマ『ヴィジランテ』が、Disney+で配信中だ。主演はナム・ジュヒョク。法外の私的制裁によって悪玉たちを次々打ちのめしていく。善と悪の境目を問う社会派作品であり、ジョヒョクにとっては兵役前最後の主演作品。「イケメン図鑑管理人」のぼく、加賀谷健が解説する。
善か悪かで物事を裁断してしまうのは、あまりに早急というか、短絡的ではないかと常々思う。人間という存在は、そう簡単に白黒はっきりするものではないからだ。その割合には個人差があるにしろ、誰しも善き部分と悪しき部分とを併せ持っている。
あるいは少し発想を転換してみる。善か悪かの二項対立は、そもそもどちらか一方だけでは成立しない。悪があってこそ善が必要になるし、逆に必要悪なんて言葉もある。ぼくらは物語の中にヒーローを求めるが、完全無欠な善玉キャラが単に強いだけだとちょっと物足りなく感じはしないか。たとえスーパー・ヒーローであっても、弱い部分があり、一歩間違えば悪に傾きかねないストラッグルに真のドラマは生じる。
映画の世界では、ちょっとニヒルでアナーキーな善玉をアンチ・ヒーローと呼ぶ。アニメーションでは善玉に対する悪漢をヴィランズと呼んだりする。内心、ヒーローよりヴィランズの方が魅力的に思ったりもする。ヴィランズに響きが似ているヴィジランテというものまである。ヴィジランテとは何か。それは、自警団を意味する。法の下では裁けない相手に自らの手で制裁する。彼らは完全に犯罪者だが、善と悪を超越した世直しヒーローとも呼べないないだろうか?