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ナム・ジョヒョクが兵役前最後に主演。『ヴィジランテ』で圧倒する揺るぎないヒーロー姿を激推し解説!

公開日 2023/11/29 20:00

変更日 2024/08/29 17:38

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韓国ドラマ『ヴィジランテ』が、Disney+で配信中だ。主演はナム・ジュヒョク。法外の私的制裁によって悪玉たちを次々打ちのめしていく。善と悪の境目を問う社会派作品であり、ジョヒョクにとっては兵役前最後の主演作品。「イケメン図鑑管理人」のぼく、加賀谷健が解説する。

 Disney+(ディズニープラス)で配信中の韓国ドラマ『ヴィジランテ』は、ヴィジランテ作品の新たな金字塔ではないかと思う。真の正義はないのか。だとするなら、自分がやるしかない。ドラマ『スタートアップ:夢の扉』(2021年)や『二十五、二十一』(2022年)などのナム・ジュヒョク扮する主人公キム・ジヨンは、法の下の正義に疑問を感じながら、法外で復讐を遂げる。第1話冒頭から、いきなり激しいアクションで、憎い相手を徹底的に打ちのめす。夜の冷たい外気。怪しげな薄闇の路地。恰好の舞台をそろえ、演出を施すロングショットが冒頭から深く印象に残る。

 フードをかぶるジヨンの表情は陰鬱としていながら、目だけが妖しく光る。怪物的な怪力。ただ者ではない。これこそ、ぼくらが求めている理想的なアンチヒーローの姿ではないか。アンチヒーローの元祖と言えばクリント・イーストウッドがスターダムにのし上がる『荒野の用心棒』(1964年)で演じた孤高のガンマン役をすぐに思い出す。1971年の出世作『ダーティハリー』では、まさに法外の方法で犯人を追い詰め、打ちのめす狂乱の刑事ハリー・キャラハンを誕生させた。イーストウッド=キャラハンを決定づけた同作こそ、ヴィジランテ映画の草分け的作品だ。

 イーストウッドが演じるキャラクターを特徴づける、あの冷たく鋭い眼差しを『ヴィジランテ』のジヨンにも見出したのは気のせいではないだろう。いや、凍てつくヴェンジェンス(復讐)に燃えるアヴェンジャー(復讐者)にしてヴィジランテであるジヨンは、キャラハン刑事よりももっとダークで、闇が深い。本作が新たな金字塔と呼べる理由は、イーストウッドから続くオーセンティックなヴィジランテ作品の系譜を守りながら、それを上回るキム・ジヨンのより一層強烈なキャラクター性によるのだ。

Disney+ ヴィジランテ 韓国ドラマ

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WRITER INFOライター情報

加賀谷健

コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修。 クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。 女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、 テレビドラマ脚本のプロットライターなど。2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。