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ナム・ジョヒョクが兵役前最後に主演。『ヴィジランテ』で圧倒する揺るぎないヒーロー姿を激推し解説!

公開日 2023/11/29 20:00

変更日 2024/08/29 17:38

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韓国ドラマ『ヴィジランテ』が、Disney+で配信中だ。主演はナム・ジュヒョク。法外の私的制裁によって悪玉たちを次々打ちのめしていく。善と悪の境目を問う社会派作品であり、ジョヒョクにとっては兵役前最後の主演作品。「イケメン図鑑管理人」のぼく、加賀谷健が解説する。

SEOUL, SOUTH KOREA – MAY 01: Actor Nam Joo-hyuk attends the 55th Baeksang Arts Awards at COEX D Hall on May 01, 2019 in Seoul, South Korea. (Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)

 昼は警察大学の優秀な学生。夜は漆黒の闇から颯爽と現れ、理不尽な法に耐えかねる市民の声に応えて世直しに繰り出す。学生という設定は『スパイダーマン』(2002年)、ダークな風貌はまるでバットマンのように見える。なるほど、本作のジヨンは、マーベル・コミックとDCコミックスを代表する人気キャラクターのアヴェンジャー遺伝子を半分ずつ持ったような存在なのではないか。

 オープニングタイトルの表記も明らかにスーパー・ヒーロー映画を意識している。ただしジヨンには特に超人的な能力があるわけではない。これは鋼の肉体を持ちながらも、あくまで生身の人間であるバットマンと同じだ。だがジヨンは、自分がやっている犯罪行為には絶対的な自信を持ち、その存在意義を必要悪だと確信している。正義と悪のあいまいな境目を常に行きつ戻りつしながら、昼と夜で顔を使かい分けるのだ。

 俳優の演技が試される役柄をナム・ジュヒョクがはっきりとした輪郭で好演している。個人的には、杉野遥亮にうっすら似ているのがいいなと思う。顔が似ると声も似るとはよく言ったものである。大学の講義場面でジヨンが模範解答するときなんて、杉野君が話しているのかと錯覚してしまった。極め付けが長身とバットマン俳優顔負けの肉体美。見る者を圧倒する。

 内面と外面の両面で説得力を担保しながらジヨンのキャラクター性を瞬時に理解させる揺るぎなさが素晴らしい。警察大学の教授イ・ジュンオプを演じるベテランのクォン・ヘヒョとのちょっとした視線のやり取りが全編に奥行きを生んでもいる。あるいは、広域捜査隊の怪物チーム長チョ・ホンの冷徹な眼差しにハラハラする。同役のユ・ジテは、巨匠パク・チャヌク監督作などで知られる名優。がっしりとした体躯と目つきによってジュヒョクの存在感をおびやかす強敵感。いずれにしろ、ジュヒョクの新たな魅力がより際立つギミックが凝らされ、兵役前最後に主演した本作をぼくは激推しする。

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加賀谷健