公開日 2023/12/21 11:45
変更日 2024/09/04 10:20
NEW YORK, NEW YORK - NOVEMBER 08: Jung Kook visits SiriusXM Studios on November 08, 2023 in New York City. (Photo by Jason Mendez/Getty Images)
12月12日、BTSジョングクが入隊した。すでに2025年のグループ再始動が予想されているが、グク不在の空白期間中、ぼくらは一体どうしたらいいのだろうとつい不安になってしまう…。そこで「イケメン図鑑管理人」のぼく、加賀谷健がグクのプレゼントの中からちょっとした答え合わせに挑戦してみようと思う。
それでもなお、グクについて語るべきことがあるのではないか。まだきっと語り尽くされていないことがあるはず。ぼくらにそう思わせてしまうのが彼の計り知れない才能の所以(ゆえん)であり、我らが黄金マンネたる証なのだ。それでぼくは、グクがリリースした曲中では今のところ一番のお気に入りナンバーである「Standing Next to You」を足がかりに、もう一度ゆっくりと考えてみることにした。
なるほど、全米を制した「Seven」ではアトランタの新鋭ラッパーLattoを、「3D」(9月29日リリース)ではジャック・ハーロウをフィーチャリングアーティストとして迎えていたが、最も華やかなはずの「Standing Next to You」では特にそうしたギミックはなかった。下手なごまかしなく、次なるキング・オブ・ポップの称号に相応しい姿を虚飾なくストレートに発信してきたと受け止める一方で、いやいや、やっぱりここにもサプライズは用意されていた。グク入隊直後の12月15日、BTS公式YouTubeチャンネルに公開されたのが、同曲の“Usher Remix”だ。ミュージックビデオを見ると、華麗なダンスパフォーマンスで曲を歌いきり、カメラはぐわぁっと一気に引いていく。するとフレームインと同時に両手をあげる人物(華麗なステップのボーカリスト!)が声を吹き込んでくるではないか。
この激的スウィートなボーカルの持ち主こそ、リミックスタイトルのアッシャー(Usher)だった。待ってくれ、ここにきてアッシャーを招聘する意味って一体、どういう事態が起こっているんだ。16歳でデビューし、テディ・ライリー、ベイビーフェイス、ジャーメイン・デュプリの最強プロデューサーグループが手がけた2ndアルバム『My Way』(1997年)が特大ヒットしたアッシャーこそは、マイケルの遺伝子を受け継ぐ正統なるニュー・キング・オブ・ポップにほかならなかった。つまり、グクはアッシャーをパートナーとして迎えることで、第3のキング・オブ・ポップとして王位継承されたと考えるべきなのである。単なるチャートアクション、あるいは入隊中のグクが贈るプレゼント以上の出来事として、音楽的な深みの極致へと一歩を踏み出したわけだ。