COLUMN コラム

10年前の台湾時代作品から『正直不動産2』につながるディーン・フジオカの意外な連想ゲーム

公開日 2024/03/11 20:00

変更日 2024/09/10 16:39

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ディーン・フジオカが日本のお茶の間に浸透して10年くらいか。それまでに香港、台湾、インドネシアと拠点を移しながら磨かれた演技力は折り紙つき。原点ともいえる台湾時代作品を今こそ見直すと不思議、『正直不動産2』(NHK総合)との意外な連想ゲームが。“イケメンサーチャー”こと、コラムニストの加賀谷健が解説する。

 2004年にモデルの仕事でキャリアをスタートさせた香港時代が俳優デビューの新天地だったなら、台湾時代は現在まで深い余韻を残すきらめきの宝庫。ここで、『王子様をオトせ!』の初登場場面を確かめてみよう。オフィスビルに颯爽と現れる白パンツのクリエイティブ・ディレクター。その名もディーン・カミヤ。お口まわりのヒゲと短髪でカジュアルなワイルドスタイルは、2010年代っぽい。見逃してはいけないのは、その白パンツの足元が、初登場の瞬間だったこと。

 ラブコメ作品にはよくあるお決まりの登場演出だ。廊下を歩いてくる靴音。部屋に入ってくる直前でスローモーションになり、足元だけを映す。顔を捉えるのはしっかりためをきかせたあと。これがどうして重要か。足元と靴音といえば…。そう、毎週火曜日よる10時から放送されている『正直不動産2』の悪徳不動産屋・神木涼真との意外な連想から発見できることがある。山下智久扮する主人公・永瀬財地に対するライバル的立ち位置も『王子様をオトせ!』と同様。カリスマオーラと“できる人”感も共通するキャラクター性。そして極めつけが、足元と靴音。

『正直不動産2』の神木はエレベーターを降りる背中がまず映り、顔を捉える前に足元。軽快なステップを踏む足元からクリアな靴音が響く。カツッカツッカツッ。続いて、タンタタン(!)。登場するなり、いきなりタップダンス。おまけにさりげない決め顔まで。すぐにすべてを明らかにはしない。別にじらすわけじゃないが、足元から上体にかけて次第に情報が開示される。視聴者に全貌をあらわにするための段取りを踏むのが、ディーンならでのマナー。

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加賀谷健