COLUMN コラム

シュー・グァンハン&清原果耶W主演『青春18×2 君へと続く道』に台湾の“空気映画”を感じる

公開日 2024/05/02 17:45

変更日 2024/09/17 15:05

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台湾のスーパースター俳優シュー・グァンハンと清原果耶の共演で描く恋愛映画『青春18×2 君へと続く道』が、5月3日(金)から全国で公開される。監督は、『新聞記者』(2019年)の藤井道人。映画化の企画は、チャン・チェン……。コラムニスト・加賀谷健が、台湾を舞台に俳優との有機的なつながりを感じる本作を解説する。

(C)2024「青春18×2」Film Partners

 グァンハンに負けてない表情を見せてくれるのが、W主演の清原果耶。清原は、近作だと山下敦弘監督の『1秒先の彼』(2023年)でもいい味を出している。彼女もまた空気の俳優であり、本作ではさらに磨き上がっている。ジミーが働いていたカラオケ店にバックパッカーとしてやってくるのが、アミ(清原果耶)。アミが初登場する場面の精悍さは、えっ、これって清原果耶の初主演作じゃないの?と思わせるくらいみずみずしい。もっというと、スクリーンデビュー?と思ってしまう。それくらい鮮烈な俳優に成長したということ。

 日本人の店長に頼み込んで働くようになったアミのおかげで、カラオケ店は大繁盛する。ジミーはその様子をアミ旋風だったと回想するのだが、旋風を巻き起こすだけの魅力と説得力がある。看板娘アミの歓迎会が開かれ、その帰り。忘れがたい場面がある。飲み過ぎて眠り込んだ店長を置いて先に店を出る場面だ。ジミーとアミが入口をくぐり抜け、外の空気にふれる。台南の空気は夜でも湿っている。つやっぽく、色っぽい。すごく映画的な瞬間。すると、やっぱり。この場面がきっかけとなって、バイクが再び画面に登場する。アミがどうしても乗りたいといってジミーの運転で街をひとっ走りするのだ。

 道路を走るバイクにカメラが並走する。夜市でもバイクは走る続ける。アミがカラオケ店にやってくるすこし前の場面でもジミーが、愚痴を言いながら店外に出てくるワンショットがあるが、清原とのツーショットになるとなおいい。しかも清原がバイクを画面上に導いてくれる。俳優との有機的なつながり……。なるほど、これが映画だ。

公開情報

(C)2024「青春18×2」Film Partners

映画『青春18×2 君へと続く道』
2024年5月3日(金) TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給表記:ハピネットファントム・スタジオ

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加賀谷健