COLUMN コラム

BTS SUGAプロデュースからタイ事業展開まで。アジアへ進出するLDHアーティストの未来は「DOKONI」?

公開日 2024/05/24 11:45

変更日 2024/09/06 18:25

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国民的人気グループEXILEを屋台骨に、数々のダンス&ボーカルグループをデビューさせ、シーンを牽引してきたのがLDHである。近年は、日本国内からアジア諸国へ視野を広げ、事業を展開しているが、アーティストたちの未来は「DOKONI」? イケメン研究をライフワークとする加賀谷健が解説する。

 2021年5月21日、三代目 J SOUL BROTHERSのボーカル登坂広臣(現在のアーティスト名義はØMIで統一)が、ソロ活動の名義HIROOMI TOSAKA改め、OMI名義で「ANSWER」シリーズの第1弾EP『ANSWER…SHADOW』をリリースした。続く第2弾『ANSWER…SHINE』(10月15日リリース)のリード曲「You(Prod.SUGA of BTS)」は、トラックタイトルからわかる通り、BTSのSUGAがプロデュースを担当している。アコースティックギターと口笛のさわやかなイントロから歌い出しの直前「SUGA」という囁きが一瞬聴こえる。

 これは所謂(いわゆる)、ボイスタグといわれるものだろう。アメリカの楽曲には歌い出し前によくある。例えば、アッシャー(ジョングクが「Standing Next to You」の「Usher Remix」でアッシャーを招聘している)の弟分として現行R&Bシーンを牽引する存在になったヴィド(Vedo)は、「ヴィド、ベイビ」というタグを必ず付けている。プロデューサーSUGAの声をタグ付けするというギミックを組み込むことで、日本の音楽シーンの中で独自の方向性を探るØMIのセルフプロデュース能力の高さを物語っていた。

「You(Prod.SUGA of BTS)」は、『ANSWER…SHADOW』の陰の世界に対する陽の世界を表現したコンセプチュアルなナンバーで、アーティストの世界観とイメージを再定義している。ミュージックビデオを見ると、温かな陽光の下、登坂が運転するオープンカーが山間の道を走る。オープンカーと道といえば三代目JSBのミュージックビデオでもおなじみだが、「この場所でわかったんだ」というリリックからわかるようにここでの登坂はソロプロジェクト「CDL entertainment」の雄大な地図を手に、迷わず進むアーティストの方向性をストレートに込めている。そんな記念すべきナンバーにSUGAの名前が楽曲にタグ付けされることには、意義深い署名感がある。

BTS

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WRITER INFOライター情報

加賀谷健

コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修。 クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。 女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、 テレビドラマ脚本のプロットライターなど。2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。