COLUMN コラム

新元号・令和を迎えた2019年から一歩先の2020年へ。年末年始に観たい《オススメ韓国映画3選》をご紹介!!

公開日 2019/12/08 23:46

変更日 2024/06/20 17:58

#

2019年は、冥界スペクタクルアクション『神と共に』や実話をベースにした社会派ドラマ『工作 黒金星と呼ばれた男』『国家が破産する日』など、話題のジャンル映画が日本を席巻した。来たる2020年に向け、韓国映画の醍醐味であるミステリアス作品、ハチャメチャコメディ、パワフルアクションという三者三様の期待作を解説!

家族4人全員が失業中という極貧ファミリーにとって、太陽光もwifiも満足に入らず、道路にまかれた消毒ガスが充満する半地下の狭小空間だけが人生のすべてだった。一方、IT企業を経営する社長一家は、高台の庭付き一戸建ての大豪邸に住み、使用人も家庭教師も、欲しいものは全て揃った光り輝く人生を送っていた……。

「計画を立てると必ずその通りにいかないもの、それが人生」── ストーリーの構成自体は実はシンプルなのかもしれない。起承転結の前半パートにおいて各家族の境遇やキャラクターについて丁寧かつ長い時間が割かれているため、その後に起こるあまりにも凄まじい〝事件〟が急加速しながら、観る者の鼓動が一気に高められていく。
『母なる証明』『グエムル –漢江の怪物-』という これまでも家族の姿を独特のタッチで描いてきたポン・ジュノ監督は今回、〝持つ者〟と〝持たざる者〟という二組の家族の対比に深く斬り込んだ。本作を観ていると、人がキレる瞬間の沸点というのは、他人から見たら意外にも低いことが分かる。一度や二度なら笑って流せた言葉でも、それが積み重なると、人間の感情はあっけなく、しかも予想だにしない方向へと爆発してドミノ式に崩壊してしまうのだ。

キャスト陣は、『殺人の追憶』『グエムル –漢江の怪物-』『スノーピアサー』などポン・ジュノ作品への出演も多い国民的俳優ソン・ガンホ。肝っ玉母さん役がよく似合う『ポエトリー アグネスの詩』のチャン・へジン。『新感染 ファイナル・エクスプレス』で野球部の高校生を演じたチェ・ウシク。丸刈りヘアで挑んだ『プリースト 悪魔を葬る者』で映画賞に輝くパク・ソダム。『修羅の華』『王様の事件手帖』の低音ボイスの帝王イ・ソンギュン。『後宮の秘密』『情愛中毒』の美貌の女優チョ・ヨジョン。そして、『哭声/コクソン』『焼肉ドラゴン』のイ・ジョンウンが家政婦を怪演しドラマパートを牽引する。

ポン・ジュノ監督から「ネタバレ禁止令」が出されるほど怒涛の展開に驚愕し、演出力の凄まじさゆえグイグイと引き込まれてしまう本作。「家族がいるから生きていける」そんな第一義的な感情に全身をグルグル巻きに寄生<パラサイト>されてしまう大傑作だった。


【STORY】
家族全員、失業中。日光も電波も弱い“半地下住宅”で暮らす貧しいキム一家の浪人生ギウは、エリート大学生の友達に家庭教師の仕事を紹介される。身分を偽り訪れた先は、IT企業を経営するパク社長一家が暮らす“高台の大豪邸”。思いもよらぬ高給の“就職先”を見つけたギウは、続けて美術家庭教師として妹ギジョンを紹介する。徐々に“パラサイト”していくキム一家。しかし彼らが辿り着く先には、誰にも想像し得ない衝撃の光景が待ち構えていた──。


監督:ポン・ジュノ

キャスト:
ソン・ガンホ
イ・ソンギュン
チョ・ヨジョン
チェ・ウシク
パク・ソダム

原題 : 기생충(英題:Parasite)
2018年 韓国映画/132分/日本公開 2020年1月10日  
配給ビターズエンド

©2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

アクション おすすめ 俳優 冬休み 女優 年末年始 韓国映画 韓流

この記事を気に入ったらシェア!

この記事について報告する

  • 韓国大好き連載コーナー
  • vote
  • 中国ドラマ特集
  • K-POPニュース

WRITER INFOライター情報

ライターK

韓国情報を発信していきます★