COLUMN コラム

【イケメン対決ムービー】ディヴァイン・フューリー(=神の怒り)を宿した“聖なる炎拳”を食らえ──!!

公開日 2020/06/27 12:04

変更日 2024/06/20 17:59

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Netflixで上位にランクインした超人気ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」のパク・ソジュン、7月6日からの陸軍入隊が電撃発表されたウ・ドファン、『パラサイト 半地下の家族』のチェ・ウシクがタッグを組んだ異色ジャンル映画『ディヴァイン・フューリー/使者』が、この夏アツい!

若き格闘家とベテラン神父が悪に挑む、異色のアクション・エンターテイメント!!

STORY

総合格闘技のワールドチャンピオン、ヨンフ(パク・ソジュン)は、幼少期に警察官の父が悪質な事故に巻き込まれ、必死の祈りもむなしく父を亡くしてしまった。神への信仰心を失ったまま孤独に生きていたある日、右手のひらに原因不明の傷ができていることに気づく。聖痕のようなその傷を調べるうち、バチカンから派遣されたアン神父(アン・ソンギ)と出会い、自分には思いがけず“正義の力”が隠されていることを知ったヨンフ。だが、街に暗躍する悪が秘かに彼らの元に迫り来ていた……。

REVIEW

欧米では題材にされることも多いが、韓国映画としては珍しい “エクソシズム(悪魔払い)”に真っ向から斬り込んだ話題の逸品。過去の類似作でいうと、名優キム・ユンソク&美形男優カン・ドンウォンが聖職者を演じた『プリースト 悪魔を葬る者』、WOWOWで放送された『メタモルフォーゼ/変身』、國村隼が「青龍映画賞 助演男優賞」を受賞した『哭声/コクソン』ではファン・ジョンミンが祈祷師に扮したりもしたが、韓国では稀有なジャンルといえよう。
とはいえ、オカルテックな先入観だけで鑑賞をためらわないでほしい。『ディヴァイン・フューリー/使者』は怖さを売り物にしている映画ではない。アクション&サスペンス要素が際立つイケメン対決ムービーであり、VFX満載のビジュアル世界をVR体感しているような、スタイリッシュ系エンターテインメントなのだから。


主演はモムチャン俳優パク・ソジュン!

主演を務めたパク・ソジュンは、ドラマ「ドリームハイ2」でデビューを飾り、「キルミー・ヒールミー」「彼女はキレイだった」「花郎(ファラン)」などで“女心をくすぐる男”と称される若手演技派スター。中島健人&平野紫紫耀のダブル主演ドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」の元となっている映画『ミッドナイト・ランナー』での躍動感あふれる演技が認められ、「大鐘賞映画祭 新人男優賞」「韓国映画評論家協会賞 新人男優賞」を獲得した実力の持ち主だ。最近では、前科者の青年とその仲間たちが大物相手に無謀な復讐を仕掛けるドラマ「梨泰院クラス」が大ブームになっている。      
本作では、キリッとしたクールなマスク、185㎝の高身長の筋肉美、魅惑のキラーボイスという萌え要素を存分に発揮し、筋骨隆々なファイターでありながら幼い頃に経験したトラウマと闘うという難しいキャラクターを熱演。黒衣を身にまとった凛とした姿はどことなく『神と共に』で冥界護衛ヘウォンメクを演じたチュ・ジフンを彷彿とさせ、近寄られたら誰もが降伏してしまいそうな独特のカリスマヒーロー感を漂わせている。


兵役のため“ウ・ドファン・ロス”は不可避!

一方、映画の面白さを左右する重要な悪役ポジションには、7月6日からの陸軍入隊を電撃発表したウ・ドファンが迎え討つ。2011年のデビュー当初から“モンスター新人”と称されてきた彼は、ドラマ「ザ・キング:永遠の君主」で一人二役を演じて新境地を開いた。
本作では“闇の司教”たる悪のオーラを強烈なインパクトで体現化し、パク・ソジュンとの死闘アクションを通して拳と魂から絞り出すダークサイドの役割をいかんなく発揮。
また本作よりひと足先に、クォン・サンウとの共演作『鬼手(キシュ)』が8月7日から日本公開されるため、ウ・ドファンの魅力を是非たっぷりと浴びてほしい。


ふぁいてぃ〜ん チェ・ウシク!!

さらに見習い神父役に、泣けるゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』での野球部高校生役や、アカデミー賞4冠&カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した『パラサイト 半地下の家族』のメガヒットで世界的な注目を集めた人気者チェ・ウシクが大好演。弟キャラっぽい愛くるしさで、観る者に癒し効果を与えてくれる特別な存在だ。
主演のパク・ソジュンとはドラマ「サム・マイウェイ」で共演し、『パラサイト 半地下の家族』では“事件”のキーパーソンの一人といっても過言ではない人物としてパク・ソジュンがカメオ出演していた。プライベートでも大の仲良しとして知られる二人は、ZE:A出身の俳優パク・ヒョンシク、 防弾少年団(BTS)のV、ラッパーPEAKBOYを加えた5人組で楽しんだ海外旅行の写真をSNSに投稿したり、撮影所を訪問しあったりと、アツい友情も微笑ましい。


国民的重鎮俳優アン・ソンギ、登場〜!

医学も科学も通用しない“エクソシズム”。このジャンルにはなくてはならない除霊儀式とか呪文とか聖水とかが登場すると非現実味を感じてしまいそうになる。しかし韓国映画界の頂点を極める重鎮、アン・ソンギ大先生がほどよい老齢感を醸し出しながら、禁断の領域に足を踏み入れ、韓国映画の歴史と共に生きてきたその人生から絞り出す名演を見せつけてくれるおかげで、むしろ没入感と応援感情が湧き上がり、魂をわしづかみにされてしまった。



INFORMATION

『ディヴァイン・フューリー/使者』 
2020年8月14日(金) シネマート新宿ほか全国ロードショー

【出演】
パク・ソジュン『ミッドナイト・ランナー』
アン・ソンギ『ラスト・ナイツ』
ウ・ドファン『MASTER/マスター』
チェ・ウシク『パラサイト 半地下の家族』

【スタッフ】
監督・脚本:キム・ジュファン『ミッドナイト・ランナー』
撮影:チョ・サンユン『ミッドナイト・ランナー』
編集:キム・ソンミン『哭声/コクソン』
音楽:ウグ・ジャワン『悪女/AKUJO』

2019 年/韓国/カラー/シネマスコープ/5.1ch/129 分/韓国語
原題:사자/英題:THE DIVINE FURY/日本語字幕:福留友子
配給:クロックワークス
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