【一人っ子政策が主人公にもたらしたものとは…】『シスター 夏のわかれ道』社会現象的大ヒット作

中国全土で論争を巻き起こし大ヒット映画に

　
なぜ、女性だけがこんな目に遭わなければならないのか…？
あまりの理不尽さに思わず叫び出したくなったほどです。

両親が亡くなったことも理解できない幼い弟。
わがままだけど、一緒に過ごすうちに姉弟の絆が深まり、アン・ランは弟を可愛いと思う気持ちも募っていきます。
　
　

© 2021 Shanghai Lian Ray Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved

　
　
それでも、養子に出そうとすることを非難されながらも、長い間、頑張ってつかもうとしてきた夢を諦めたくないアン・ラン。

彼女には裕福な彼氏がおり、優しい言葉をかけてはくれるのですが、どれも的外れで、アン・ランの役には立ちません。
　
　

© 2021 Shanghai Lian Ray Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved

　
　
叔父のウー･ドンフォンもアン・ランに手を差し伸べてはくれますが、麻雀に夢中でちゃらんぽらんです。

様々なトラブルに見舞われ、大きな壁に阻まれるアン・ランは、どのように打開し、どのような決断をするのでしょうか…？
　
　

© 2021 Shanghai Lian Ray Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved

　
　
本国では、SNS上に「#SISTERをどう評価するか」、「#個人の価値は家族の価値より大切なのだろうか？」といったハッシュタグが浮上し、若者を中心に共感の熱い声が爆発的に拡散されました。
そうして、中国全土で論争を巻き起こした『シスター 夏のわかれ道』は、誰もが予想していなかった大ヒット映画になったのです。

私は、中国の現状を詳しくは理解していなかったので、この映画のアン・ランを通して、女性がどれほど生きづらいかを痛感しました。
でも、本作は決して辛いだけの内容ではなく、希望を持つことができますし、自分の生きる道を見つめ直しながら、家族の大切さも改めて考えさせてくれる映画です。
それはひとえに、イン・ルオシン監督とヨウ・シャオイン脚本家の手腕によるものだと思います。
そして、彼女たちが、アン・ラン役に抜擢した新星チャン・ツィフォンの名演を引き出したからだと言えます。