真面目な諜報員から極道で生き残りをかけて闘う男まで演じ分けるチョン・ウ『野獣の血』

レビュー

公開日 2023/01/18 20:00

変更日 2024/08/21 15:48

以前、K-boardで監督インタビューを紹介した『偽りの隣人ある諜報員の告白』のチョン・ウ主演最新作『野獣の血』。最近はドラマ「模範家族」も話題で、個人的には大泉洋似のルックスが気になっているチョン・ウ。『偽りの隣人～』とのギャップに驚く『野獣の血』は、韓国ノワールの魅力が満載です。（敬称略）

曲者ぞろいの登場人物

　
誰が味方で、誰が敵なのか…？

一歩も引くことができない男たちの闘いが描かれますが、頭脳戦もポイントになってきます。
　
　

　
　
裏切りや殺し合いが続き、バイオレンスシーンも激しく、痛いのが苦手な私は何度も指の間から見る状態でした（苦笑）。

ヒスは「ソン社長の猟犬」などと呼ばれていますが、「狂犬」と呼ばれているヨンガンのクレイジーぶりには目を見張ります。
チェ・ムソンの怪演が凄いです！
ヨンガンはヒスにとって敵なのか、味方なのか…。
狂気に満ちていますが、私はかなり面白いキャラクターとして注目しました。
ちょっとロバート秋山のネタ「クリエイターズ・ファイル」の人物っぽいんですよね（笑）。
　
　

　
　
曲者ぞろいの登場人物たちですが、主人公のヒスは割とまともなイメージ。
アミに「お父さん」と呼ばれて嬉しそうなヒスには、思わず幸せになってほしいと願ってしまいますが、“仕事”の際は眼光鋭く、腕っぷしも強く、残忍な極道に徹します。

チョン・ウをはじめ、釜山訛りで演じるキャストたちの登場人物になり切る凄みに引き込まれると共に、釜山の海岸の光景や美味しそうな食べ物を見ると、旅行してみたくもなります。
　
　