COLUMN コラム

すべての女性の心に響く映画『82年生まれ、キム・ジヨン』

公開日 2020/09/20 17:46

変更日 2024/09/03 10:09

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女性の生き辛さを描き、韓国で2016年に刊行されるやいなやベストセラーになった同タイトルの原作を女性監督が映画化。初登場1位に輝き賞レースでも受賞を果たし、こちらも大ヒット!

昨年10月16日にソウルの三清洞(サムチョンドン)で行われた本作の会見によると、コン・ユはや大ヒットしたドラマ『トッケビ』(2016〜2017)があまりに注目を集めたため、しばらく充電期間をとっていたそうですが、脚本に共感して約3年ぶりにスクリーンに復帰。

「自分に戻る時間が必要だったんです。自分を振り返って癒す、そのための補償の時間だったと思います。エネルギーを再び蓄えて、作品に出演することができたと思います」

SEOUL, SOUTH KOREA – OCTOBER 30: South Korean actor Gong Yoo attends the photocall for ‘Louis Vuitton Maison Seoul’ opening party on October 30, 2019 in Seoul, South Korea. (Photo by Han Myung-Gu/WireImage)

2016年、映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』や『密偵』の大作で主演を務め高い評価を受けたコン・ユが、女性が主役の作品に出るのが意外との声も聞かれましたが、 「伝えたい話を話すことがより大切だと思ったんです。役割の大きさやタイトルロールなどは重要ではありません。実際にシナリオを読んでやりたいと感じる作品は少ないですが、この作品は本当にやりたかったんです」

また、コン・ユは女優出身のキム・ドヨン監督について「他の映画より楽に演技することができたのは、全部監督のおかげ」と感謝の気持を語っています。 「俳優がやりにくくなるようなことをそのままにしません。監督は俳優の立場で考える方です。私は閉じ込められるのが嫌いです。現場では余白をたくさん与えてくれるのが好きです。呼吸も早く切れるのが嫌で…。現場の空間や空気、美術がとても大事で小道具が大事だと思うのも、自分がその空間に入った時に没入度の違いがあるからです」 コン・ユもその手腕を讃える監督は見事、百想芸術大賞の映画部門・新人監督を受賞しました。

◇すべての女性の胸にズシンとくる 秀作

  映画『トガニ 幼き瞳の告発』(2011)、パニック映画の大作『新感染 ファイナル・エクスプレス』と、ヒット作での共演が続いたチョン・ユミとコン・ユの3度目の共演にして初の夫婦役となった本作は、韓国で初登場1位を獲得する大ヒットを記録しました。

国は違えど女性が‎これまで胸に閉じ込めていた”違和感”と”痛み”の正体を‎ジヨンの人生を通して考えさせられる秀作なのです。 ちなみに世界経済フォーラムが公表した「Global Gender Gap Report 2020」の各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数によれば、日本の順位は153か国中121位でした。これは中国106位、韓国108位より下位という悲しくやりきれない現実。 この作品は普段は笑って済ませたり、仕方ないと諦めているあんなことやこんなことを考えさせられるきっかけになること確実です。

『82年生まれ、キム・ジヨン』

10月9日(金)より 新宿ピカデリー他 全国ロードショー © 2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved. 配給:クロックワークス 監督:キム・ドヨン/出演:チョン・ユミ、コン・ユ、キム・ミギョン 原作:「82年生まれ、キム・ジヨン」チョ・ナムジュ著/斎藤真理子訳(筑摩書房刊) 2019年/韓国/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/118分 原題:82년생 김지영 © 2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
映画『82年生まれ、キム・ジヨン』オフィシャルサイト

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