COLUMN コラム

変幻自在なおばあちゃん、ユン・ヨジョンが映画『ミナリ』でオスカーに王手!

公開日 2021/03/20 21:55

変更日 2024/09/03 10:20

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今年のアカデミー賞で台風の目となっているのが『ミナリ』で助演女優賞にノミネートされたユン・ヨジョン(73歳)です。これまで変幻自在な役柄を演じてきた彼女の意外な一面と本作の魅力に迫ります。

韓国から移民した父親ジェイコブ(スティーヴン・ユアン)は農業で成功したいと夢見てアメリカ南部のアーカンソー州の大地に広大な土地を買いますが、現実は厳しく、母親モニカ(ハン・イェリ)はトレーラーハウスの住居に困惑。

子供は娘アン(ノエル・ケイト・チョー)と息子デビット(アラン・キム)のふたり。
息子には心臓の病気があるため、病院から遠い住まいを懸念しています。

母親は定収入のため働きに出かけ、子供たちのために韓国からひとり暮らしの祖母スンジャ(ユン・ヨジョン)を呼び寄せ5人家族になりますが、仕事でも家庭でも思いもよらないトラブルが巻き起こるのです。

祖母スンジャは一人娘のために米国では手に入らない食料をトランクに詰めて海を渡ります。年老いてからの初の外国暮らしで戸惑うことも多いのですが、「ケンチャナ〜!(大丈夫)」でなんとか乗り切ろうとするのです。

心臓に病気を持つ孫デビットによかれと韓国流ドリンクを勧めるスンジャですが、反発されなかなか懐いてくれません。あげく、とんでもないイタズラをされますが寛大に許し、しだいに打ち解けていきます。もうデビットとの英語まじりの会話のやりとりが最高に楽しい!

花札が好きで、テレビでプロレスを見ていると思わず暴言が出てしまう。このスンジャの存在が過酷な移民の暮らしを描く作品のなかで、適度な笑いとユーモアを与えているキーパーソンとなっています。

ヨジョンは、優しく家族想いだけど、時に毒を吐き、大胆不適なこともやらかしてしまう生活能力の高いハルモニ(おばあちゃん)を本当に生き生きと演じているのです。ヨジョンのあの独特のハスキーボイスもキャラクターのチャーミングさを引き立て、オスカーノミネートも納得です。

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