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変幻自在なおばあちゃん、ユン・ヨジョンが映画『ミナリ』でオスカーに王手!

公開日 2021/03/20 21:55

変更日 2024/09/03 10:20

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今年のアカデミー賞で台風の目となっているのが『ミナリ』で助演女優賞にノミネートされたユン・ヨジョン(73歳)です。これまで変幻自在な役柄を演じてきた彼女の意外な一面と本作の魅力に迫ります。

古くはヨン様と共演したドラマ『ホテリアー』(01)のホテルの2代目社長役から『キング~Two Hearts』(12)の大妃、最近では映画『チャンシルさんには福が多いね』(19)のほのぼのした大家さん役まで、55年のキャリアを誇るヨジョン。

1947年6月19日生まれ。1966年に民放TV局TBCのタレント公開採用に受かり活動開始。

1971年にMBCドラマ『張禧嬪』でチャン・ヒビン役を演じた時は悪女の演技が上手すぎて、街にでると「悪女」と罵られるほどで、新人時代から演技力はずば抜けていたのです。
同じ年、「火女」で映画デビューするも、翌年、歌手チョ・ヨンナムとの結婚と渡米を機に惜しまれつつ引退。

ヨジョンも『ミナリ』と同じく移住生活を体験していたのですが、それは約10年で終わります。

理由は離婚。本人は当時のことを語りたがりませんが、一説によると夫は留学生を言い訳に働かない上に、浮気に走り、我慢の限界だったとか。

85年の離婚後に芸能界に復帰。その後はイム・サンス監督の「浮気な家族」(03)をはじめ韓国の映画やドラマに多数出演しています。

カンヌ国際映画祭に出品されたイム・サンス監督の官能サスペンス「ハウスメイド」(10)では国際的な注目を集めました。さらに、あのウォシャウスキー姉妹製作の米国TVシリーズ「センス8」(15〜17)にも出演。

2016年の映画主演作「バッカス・レディ」(16)では、なんと年老いた売春婦役に挑戦。

曽根圭介の小説を韓国で映画化した「藁にもすがる獣たち」(20)では認知症の老母をリアルに演じ、さらに評価を高めました。

また、インドネシアやスペインで小さな韓国食堂をオープンする人気リアリティ番組『ユン食堂』(17〜18)でも新たなチャレンジを見せます。
語学力を活かし、女主人として自ら調理し店を切り盛り、大女優らしくない親しみやすい姿を披露。

続編ともいえる『ユンスティ』(21)では韓国式家屋ホテルの社長に。スタッフのひとりには人気ドラマ『梨泰院クラス』(20)主演パク・ソジュンも加わり話題沸騰です。

これらの作品では、ヨジョンの英語力とウィットにとんだ話しぶりが注目を集め、いかに後輩の俳優からリスペクトされているかがわかります。

韓国のメリル・ストリープと言われ、『ミナリ」で韓国映画界の記録を塗り替えるアメリカ映画賞での演技賞27冠を達成しましたが、ヨジョンは浮かれることなく、

「賞を受けとる瞬間はすごく嬉しいんです。でも、ずっと賞に酔っていると前に進むことができません。ですから、私にとっての一番いい賞というのは、次の新しい仕事があるということ。それが一番嬉しい賞ですね。これは、長く俳優をやっているからわかることだと思っています」

と『VOGUE JAPAN』サイトのインタビューで答えています。

ここまで冷静で前向きな発言は俳優の鑑!

ちなみに、離婚後、イチから出直して育てあげたふたりの息子は、ファッション関係と音楽関係というセンスが問われる仕事に就いているそうで、アカデミー賞に何を着るかを相談しているかも。

4月26日(日本時間)、授賞式にヨジョンがどんな晴れ姿を見せるか楽しみですね。
もちろん受賞にも期待大です!

映画『ミナリ』は、2021年3月19日(金) TOHOシネマズシャンテほか全国でロードショー。

配給:ギャガ

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