公開日 2021/11/08 15:11
変更日 2024/06/20 20:02
脱北者の女性が韓国でボクシングと出会い、生きる希望を得て成長していく姿を描いた本作。2021年ベルリン国際映画祭正式出品、第25回釜山国際映画祭主演女優賞&NETPAC賞W受賞した秀作をご紹介します。(ネタバレあり)
韓国・ソウルの小さなアパートにたどり着いた脱北者のリ・ジナ。
残してきた父を呼び寄せるため多くのお金を稼ぎたい彼女は、食堂と清掃の仕事を掛け持ちする中で、ボクシングジムの館長とトレーナーのテスと出会う。
悲惨な過去と怒りを抱えるジナは彼らに対して壁を作るが、館長とテスはそんな彼女の中に静かに燃えるファイティングスピリットを感じ取る。
ボクシンググローブを手渡されたジナは、次第にボクシングの世界にのめり込んでいく。
(公式サイトより)
◇公開情報
『ファイター、北からの挑戦者』
11月12日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
監督:ユン・ジェホ
出演:イム・ソンミ、オ・グァンロク、ペク・ソビン
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
2020年/韓国映画/韓国語/104分/シネスコ/5.1ch/英題:Fighter/日本語字幕:江波智子
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このところNetflixで大人気の韓国発のドラマ『イカゲーム』そのメインキャラクターの脱北女性セビョク(チョン・ホヨン)が話題になることで、改めて脱北者の存在が注目されることになりました。セビョクは弟と脱北、なんとしても母親を脱北させ家族で暮らすために過酷なデスゲームに参戦します。
『ファイター、北からの挑戦者』のジナも脱北して中国に滞在中の父親を韓国に呼び寄せるために、多額のお金が必要になるのです。
ひとり脱北に成功したジナですが、住まいを知られている北朝鮮離脱住民定着支援事務所の男性職員に待ち伏せされセクハラを受ける。ボクシングジムではトレーニング後、有名店の1万ウォン(約1000円)のトッポギを食べに行く韓国人女性から差別的な発言をされるなど、苦労が絶えません。
映画やドラマの影響で「北の人間はみんな特殊部隊出身だと思われている」と怒るジナ。
北にはボクシングがスポーツだという意識はなく、ケンカだと思っていたのですが水商売以外で大金を稼ぐためにボクシングに挑戦するのです。