COLUMN コラム

東京国際映画祭2022で注目を集めた香港、中国作はあの大女優と名優が主演!

公開日 2022/11/17 22:30

変更日 2024/06/20 20:03

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第35回東京国際映画祭で「ノスタルジー」と「衝撃」、正反対の魅力で注目を集めた香港、中国作品の『消えゆく燈火』『神探大戦』をご紹介します。

その歴史的、文化的変化を作品に残した上でしみじみした夫婦の物語を作り上げたのは新人女性監督のアナスタシア・ツァン。

映画祭のティーチインでの監督の発言によると、香港政府が新人に資金を出すコンテストに応募し援助を得て制作したそうで、「自由に撮らせてくれた」と。「過去のネオン管職人へのリスペクト」「失われゆくものへの郷愁」を撮りたかったと語っていました。

シルビア・チャンとサイモン・ヤムの名優コンビを主演に、新人監督とは思えない軽妙かつじんわり深みのある作品を作り出しています。

[c] 2022 TIFF

他界した夫(ネオン職人)の意思を継ごうとする妻を出ずっぱりで演じるシルビア・チャンが、哀しみを乗り越え再生する姿をリアルに生き生きと演じストーリーに引き込まれます。

台湾を代表する大女優であり監督としても活躍するシルビアは、台湾のアカデミー賞である金馬賞で幾度も最優秀主演女優賞に輝き、1995年に脚本と監督を手掛けた映画『少女シャオユー』は第40回アジア太平洋映画祭で最優秀作品賞と最優秀脚本賞をダブル受賞しています。

さらに、金城武主演で男女3人の20年に渡る恋愛模様を描いた監督作『君のいた永遠(とき)』(99)は香港のオスカー、香港電影金像賞最優秀脚本賞を受賞。演技だけでなくクリエイターとしての才能にも秀でているスーパーウーマンなのです。

[c] 2022 TIFF

腕利きのネオン職人の夫を演じたサイモン・ヤムは、『トゥームレーダー2」(03)でハリウッドに進出。数々のアクション映画でギラギラしたカッコいい役どころに扮してきたイケオジで、香港電影金像賞などで最優秀主演男優賞受賞を獲得。本作では圧の強さを封印。出番は少ないながら妻想いの穏やかな夫を柔らかな笑顔で好演しています。

ゆっくり流れるエンドロールで次々に映し出されるネオン職人たちとその作品である看板が紹介されるラストに心を掴まれずにはいられません。

作品データ
『消えゆく燈火』(2022年 香港)
監督: アナスタシア・ツァン
出演: シルビア・チャン
サイモン・ヤム
[c] 2022 TIFF

◇ 『神探大戦』ストーリー

香港で17年前の猟奇殺人を模倣した殺人事件が相次ぐ。
犯人は「神の捜査官」の文字を残し、事件番号で次の犯行を予告。
17年前「神の捜査官」を自称し、精神病患者として警察を放逐されたレイ(ラウ・チンワン)は再び警察と犯人を追う。

©2022 Emperor Film Production Company Limited Emperor Film and Entertainment (Beijing) Limited ALL RIGHTS RESERVED [c] 2022 TIFF

ノスタルジーを感じさせる『消えゆく燈火』とは正反対の刺激と衝撃が魅力なのが『神探大戦』です。

怪作『MAD探偵7人の容疑者』(07)の後日譚的作品。「神探」と名乗る連続殺人犯人に、かつて「神探」と呼ばれた元刑事が挑みます。前作に続いてラウ・チンワンが主演。中国の夏興行で大ヒットを記録しました。

『MAD探偵 7人の容疑者』でジョニー・トーと共同監督を務めた ワイ・カーファイ監督作。前作の続編というよりパラレルワールド的なストーリーです。

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