公開日 2021/07/03 16:20
変更日 2024/06/20 21:23
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2018年、韓国tvNで放送された『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』。当時はそれほど大きな反響がなかったドラマが配信をきっかけにブレイク。 『ミセン-未生-』『シグナル』のキム・ウォンソク監督、イ・ソンギュン、IU主演によるヒューマンドラマの魅力をご紹介します。
現代社会に生きる人々を描いたドラマ『マイ・ディア・ミスター』では、今の韓国のさまざまな社会を垣間見ることができます。
ドンフンは45歳で、大企業である建設会社の部長。日陰部署と言われながらも部長の地位にあれば、それなりだと思うのですが、妻であるユニはしきりにドンフンに退社して起業することを勧めます。劇中でも長男のサンフンや友人たちは長年勤めた会社を辞めて起業した自営業者。
90年代以降、韓国の民間企業では人件費削減のため40代後半になると退職勧告を受ける人が出てくる現実があり、役員にならないと定年まで勤めあげるのは難しい状況だそう。役員になれそうもないのに、会社にしがみついているように見えるドンフンがユニにしてみればもどかしいのでしょう。
技術職のドンフンは独立してもやっていけそうですが、サンフンは2度も事業に失敗しているというのを見ると退職金を元手に起業するのもなかなか大変な道のようです。
ジアンが祖母と住んでいるのは「タルトンネ」と呼ばれる低所得者層の住む地域。“タル”は月、“トンネ”は町という意味で、“月に近いくらい高いところにある町”という意味。“半地下部屋”同様家賃は安いですが、交通の便が悪く、インフラの整備も遅れています。ドラマの中でもジアンが細い坂道や階段を上り下りしたり、スーパーのカートに祖母を乗せて月見に行く途中の段差のある道でドンフンに助けられるシーンが出てきます。ロマンチックな名前とは裏腹の町“タルトンネ”、現在は再開発が進み多くが姿を消しています。
世界的に有名な韓国の教育熱。大学入試の「修能」(大学就学能力試験)の様子は日本でも毎年ニュースになるほど。また幼児期からの英語教育にも熱心で、小学生時代から海外に留学することも珍しくないそう。『マイ・ディア・ミスター』でもドンフンとユニの息子ジソクは単身アメリカへ留学しているという設定で、祖母ヨスンの誕生日には“ヨントン”(テレビ電話)で参加していました。
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』は2021年7月現在
Netflix
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で配信されているほか、
BS朝日で放送中です。
ハートウォーミングなヒューマンドラマ、『マイ・ディア・ミスター』ぜひご覧ください。