大人気ドラマ『賢い医師生活』が人の心を掴む理由　７つの考察

悪徳医師が存在しない

これまでも数多く作られてきた医療ものドラマですが、悪徳医師と善良な医師の対立が描かれがちです。（それはそれで面白いのですが）　ただ、このドラマでは悪徳医師はほぼ存在しないと言ってよいかもしれません。シーズン２で、ちょっと独特のキャラを持った医師が出てきたりはしますが、その対立構造が物語の軸になったりしませんし、その医師は悪者ではなく「やり方、考え方が違う」と表現されます。その考え方の違いは、医師としてのリスクを取らないことだったり、ちょっとした傲慢さだったりもするのですが、それもその人のスタイルであると着地させています。人それぞれ、そう考える理由もちゃんとある。そういう立ち位置までしっかり描くことで人物像が伝わりやすくなり、視聴者が共感する部分が多くなるのです。 （いつも悪役で出ることが多いあの方も、超いいオジサン役で登場します）

この投稿をInstagramで見る

슬기로운 의사생활(@hospitalplaylist_official)がシェアした投稿

「命の尊さ」を丁寧に語ってくれる

どんな名医であっても志が高くても、神様ではないので全ての患者を助けることはできません。このドラマでも、医師たちの尽力むなしく失われてしまう命が描かれます。「助けられなかった命」は、なぜ助けられなかったのか、どうしてそうなってしまったのか。そして、残された人達はどのようにその死を受け止めるとか、という部分まで丁寧に見せることで、その命の意味が際立つのです。そして担当医師たちの、わずかな希望でもあきらめず、なんとかその命を救おうとする姿を描くことで、より医療の崇高さが伝わってきます。このドラマでは、すべての人の命は等しく尊いということを、医療を通じて語りかけています。