公開日 2023/07/28 20:00
変更日 2024/06/21 10:32
INCHEON, SOUTH KOREA - JULY 19: (L to R) Lee Hak-joo, Kyung Soo-jin, Lee Sung-min and Kim Shin-rok attend the 2nd Blue Dragon Series Awards at Paradise City Hotel on July 19, 2023 in Incheon, South Korea. (Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)
ディズニープラスで配信中の『刑事ロク 最後の心理戦シーズン2』。イ・ソンミンを主演に迎えた骨太のクライムサスペンスの本作は、緊迫感あふれる犯人探しが見どころの極上の刑事ドラマです。シーズン1から「友」と名乗る犯人捜しに翻弄されるベテラン刑事キム・テクロクの活躍をご紹介します!
“友”がいなくなって1年半後、強力班から異動となったテクロクだが、クモ市に新たな悪がうごめき始める―。愛する人たちを守るため再び奮起したテクロクの追撃により、ついに正体を現した最後の敵。衝撃的な真実に直面し、果たしてテクロクは無事平穏を手にすることができるのか。最後の死闘が今、始まる―。
本作は、シーズン1が全8話、シーズン2も同じく全8話の計16話の構成で物語が完結するシーズンものの作品として、韓国の大ヒットメーカー スタジオドラゴンによって制作されました。主演は、韓国が誇る名優であり、名バイプレーヤーとして多くの作品で活躍中しているイ・ソンミンです。
シーズン1では、イ・ソンミン演じるベテラン刑事のキム・テクロクが同僚刑事殺しの容疑者となり、真犯人を探す1週間が描かれました。テクロクは年金受給を楽しみにしている定年間際の老刑事として、日夜クモ署の強力班係で犯人逮捕に明け暮れています。
クモ市にあるクモ署の強力班に所属するテクロクには、長い付き合いのある先輩であるクモ署の署長ソ・グァンス(キム・ホンパ)、後輩だけど先に出世した情報課課長のウ・ヒョンソク(キム・テフン)ら仲間がいました。
ある日、テクロクのもとに「友」と名乗る見知らぬ人物から不審な電話がかかってきます。テクロクはいたずら電話だと思い相手にしませんでしたが、「友」からの電話は続き、不可解な言葉を告げ始めます。テクロクは「友」からヒョンソクの危険を知らされ急行しますが、すでにヒョンソクは亡くなっていて、テクロクが容疑者にされてしまいます。
テクロクはグァンスに頼み、ヒョンソク殺しの真犯人を探すため1週間の猶予をもらいます。「友」からの電話で事件の鍵は自身の過去にあると知らされたテクロクは、担当した過去の事件を調べ始めます。そんなテクロクの姿を見て、異動してきた新任の捜査課課長クク・ジナン(チン・グ)はバディとして共に事件を捜査。さらにテクロクの部下イ・ソンア(キョン・スジン)とソン・ギョンチャン(イ・ハクジュ)も加わり、チームテクロクは「友」の正体と動機を必死で探します。
事件が始まったシーズン1に「友」の正体がわかる伏線が張り巡らされています。
「友」の正体探しで周囲の人間全てを疑い、疑心暗鬼になっていくテクロクの心情が見ていてよくわかり、同じようにみんなが犯人に見えてきます…! さらに、「友」探しから思いもよらないクモ市を中心とした巨大な悪が芋づる式に現れます。警察内部、法曹界、医療界、政財界、麻薬カルテルと繋がる悪を追い詰めていく中で、追走劇のアクションシーンが見応え抜群です。度肝を抜かれるような場面もあり、アクション好きにはたまらない「動」の展開が続き、手に汗握る攻防にも目が離せません。
シーズン1のラストは驚愕の展開で、テクロクとともに愕然とした視聴者も多かったのではないでしょうか。そして物語はシーズン2へと続きます。
シーズン2からは新たなキャストが加わり、テクロクを取り巻く人間模様がさらにサスペンスフルな展開になります!中でも、『地獄が呼んでいる』『財閥家の末息子』のキム・シンロクが演じるヨン・ジュヒョンは、テクロクの過去から始まった複雑に入り組む事件の鍵を握る重要なキーパーソンです。
イ・ソンミンとキム・シンロクは『財閥家の末息子』で父娘役で共演しています。絶対的カリスマを誇る父を演じたイ・ソンミンが本作ではキム・シンロクの部下となるのですが、彼女の持つクールな雰囲気は敵か味方か分からず、テクロクは振り回されるのです。
ジュヒョンがテクロクに近づいた意図と、ふたりの関係性の変化にも注目したいところです…!
シーズン2では、本当の黒幕に向けてテクロクの反撃が始まります!
「友」がいなくなって1年半が過ぎ、強力班から女性青少年課へ異動したテクロクは、チーム長ヨン・ジュヒョン(キム・シンロク)のもとで非行少年少女の事件を担当したりと、慣れないながらも強力班とは違う事件を扱っていました。
そんなある日、窃盗を繰り返す未成年グループの検挙をきっかけに、ソンアが爆発事故に巻き込まれます。
シーズン1では、テクロクの忠実な部下としての姿しか描かれていなかったソンア。実は過去にテクロクと繋がりがあり、テクロクがソンアを助けていたことがわかります。ソンアのテクロクへの忠誠心の強さの背景が描かれ、物語に深みをもたらしています。
ソンアが爆発事故で負傷したことにより、テクロクとギョンチャンは爆発事故の原因を捜査し始めます。すると、クモ署内部の人間が爆発事故に絡んでいることがわかり、背後にクモ市を巡る利権争いがあることを突き止めていくのです。
「友」の謎も引き続き見え隠れしながら、シーズン2より加わったキャストたちは果たしてテクロクの敵なのか、味方なのか?
シーズン1は追走劇で、テクロクをはじめ全速力で走ったりアクションシーンが満載の「動」な俳優陣でしたが、シーズン2では一転、「静」の心理戦でストーリー展開の面白さが増しています。
テクロク自身の心の声であるナレーションも多く、テクロクがより複雑に警察内部のスパイ探しに翻弄されていることもよくわかります。
最後に、本作のチームテクロクを演じる俳優陣をご紹介します。
主演のテクロクを演じる名バイプレーヤーのイ・ソンミンは、出演作品にハズレなしと言われる韓国が誇る名優です。日本でも人気の高い『ミセン~未生~』でのオ課長役は、イム・シワン演じる新入社員のチャン・グレを成長させる理想の上司としてオ課長の下で働きたいと思う人が続出しました。『未成年裁判』では判事役として涙腺を刺激されるさすがの演技を魅せ、『財閥家の末息子』ではソン・ジュンギ演じるドジュンの祖父ヤンチョル役として出身地の慶尚北道の方言を活かした財閥家の総帥を圧巻の演技力で魅せました。
このヤンチョル役がすこぶるいいんです…!筆者もイ・ソンミン演じるヤンチョルに心を掴まれ涙を流しました。名演技で第59回百想芸術大賞でテレビ部門 男性最優秀演技賞を受賞したのは記憶に新しいところです。
テクロクの部下スンアを演じる キョン・スジンは、『恋のゴールドメダル』でナム・ジュヒョク演じるジュニョンの元恋人役の新体操選手ソン・シホ役を演じていました。イ・スンギ主演の『マウス』では、 テレビ番組のプロデューサー チェ・ホンジュ役で、サイコパスを追い詰めていく番組作りと、愛する恋人との悲しい別れを経験する女性役を好演しています。本作では強力班刑事としてアクションシーンが満載で、全速力で走る姿や銃を握る姿がかっこいいです!
ギョンチャン役のイ・ハクジュは、最近の話題作『マイネーム: 偽りと復讐』でのチョン・テジュ役、
『こうなった以上、青瓦台に行く』のキム・スジン役を好演し、今後の活躍がますます楽しみなところです。
現在配信中の第5話、第6話では、テクロクがついに本当の黒幕へと近づいていく様子が描かれました。これまでの怪しい人物だらけの中から姿を現し、テクロクを悲しみへと突き落としそうで先が気になってたまりません…! 定年を間近に控えたテクロクは、刑事人生を晴れやかに終えることができるのか、それとも…? 物語の終幕をしっかり見届け、テクロクを労いたい思いでいっぱいです。