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ジョングクは何回拍手した? 『JUNG KOOK : I AM STILL』とグクミン旅番組『Are You Sure?!』が連動する“癖”を読み解く

公開日 2024/10/18 20:00

変更日 2024/10/18 20:00

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ジョングク初の単独ドキュメンタリー映画『JUNG KOOK : I AM STILL』が公開中ということで、入隊前のグクとジミンによる旅番組『Are You Sure?!』と連動して考えるグクの“癖”を読み解いてみたい。イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニストのぼく、加賀谷健が、ドキュメンタリー中に何回拍手したかなど、そんなとこカウントしてなんになるんだよ! という観点からグク的類似と連想を飛躍させる。

ワットの左手とグクの両手

『JUNG KOOK : I AM STILL』(以下、『I AM STILL』)冒頭近く、2023年4月9日に行われたソロ初シングル「Seven(feat.Latto)」のレコーディング風景が写される。レコーディングに同席し、アメリカ様式に慣れないグクをサポートするのは、プロデューサーのアンドリュー・ワット。緊張気味のグクの隣で、とにかくテンションを上げるワットは、トラックを聴きながら身体を揺らす。レコーディングあと、翌日10日に回すことになった1stアルバム『GOLDEN』のタイトル曲「Standing Next to You」のトラックを確認する場面でも、ワットは踊りまくる。

その様子は、ジョングクというスター歌手をプロデュースするために、トラックを丸ごと身体にインストールしているように見える。純粋に音楽を聴く行為として考えてもお手本のような振る舞いだ。「Standing Next to You」のイントロから歌いだしに移行する直前、ノリノリの左手を軽妙に横スイング移動する。パッとメロディーに合わせて左手を動かしてみせるワットを見るだけでも、一見する価値は十分過ぎる。ぼくは、このワットの動きにすっかり惚れ込んでしまった。

でも我らが“黄金マンネ”ジョングクだって負けちゃいない。ワットの横移動が左手だったのに対してグクは両手。両手を使って拍手するのだ。ニューヨークで行われたGMA公演直前のステージ裏で軽く1回、ロンドンでも公演前に1回弾みをつけてマイクを持ち、画面オフ状態のインタビュー中に5回、飛行機移動中の9時間睡眠あとに小刻みのを1回とカウント、レッスンあとに4回、4月10日の「Standing Next to You」レコーディング前後ワットを前に2回と4回、ラスト黒み画面で5回、ぼくが数える限りでは計23回、もっとかな。ワットがスタートはおごらいない存在のことだといっていたように、グクは何事にも素直に感嘆して拍手する。ぴったり擦り合わせるのではなく、片方の手をややずらしてクールかつ人懐っこく、色っぽい響きをともなって拍手する。この拍手自体が、グクの音楽世界を端的に開示している。

グクの“癖”が有機的に関係し合う名場面

これはどうやら単純にグクの“癖”でもあるらしい。それを指摘したのは、テテである。グクとジミンが入隊前に思い出づくりのふたり旅珍道中を繰り広げる番組『Are You Sure?!』の済州島編でテテがゲスト出演するのだが、第4話で、ご飯を食べに行く道中、グクとテテはバイク、ジミンは車に乗る。走行中も会話ができるように音声通話がつながっていて、バイク組のグクとテテがちょっとしたやり取りをする。

テテは音楽が聴きたい。「ミュージックオン」の字幕。喋ったり、音をだすと音声機の都合上、音楽がとまってしまう。信号待ちの間、グクとテテが音楽に合わせて身体をゆらす。グクが手拍子。音楽がとまる。するとテテが思わず「手拍子はやめて」と言う。拍手や手拍子など、両手関連の癖が多いグク。それに対して「うっかりしてた失礼」と謝るグクだが、やっぱりまた手拍子してしまう。「癖なんだな」と呆れ笑いのテテ。こういうときのテテって容赦なく指摘するけどなんだかやけにつややかでドキッとしちゃう。『I AM STILL』でもレコーディング中のグクのところへテテがさらっと入ってきて「今日は何曲?」と聞く場面がある。さらっとふたりになる一瞬の密室場面をこしらえちゃうテテの優雅な色気はどう説明したらいいの?

グクには他にも癖がある。とっておきのやつ。拍手や手拍子同様に感嘆の部類だが、特に美味しいご飯を食べた一口目すぐに発する「うわあぁ」だ。『Are You Sure?!』では全体尺のかなりを占める食事場面でその都度それが聞ける。何を食べても「うわあぁ」。いつでも「うわあぁ」。第6話からの札幌編でホテルに一泊した翌朝、早くから近くのラーメン屋で朝食を取る場面。朝からラーメン。しかも辛いラーメン。これはガツンとくる「うわあぁ」が期待できる。するとやっぱり、スープを飲んだ途端に、きました格別の感嘆を込めた「うわあぁ」。辛みの赤が刺激的な色合いのスープに対して、この「うわあぁ」はとても澄んでいる。チャーシュー丼もたいらげて、「すぐに外の空気を吸わないと」と言って外に飛び出す。店内から店外へ。一瞬で外気とふれあう。グクの癖である「うわあぁ」が余韻を残しつつ、透き通る雪景色が有機的に関係し合う名場面だった。

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加賀谷健