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【第4次韓流】『愛の不時着』ロスの男たちが見るべき韓国ドラマ10選【ジャンル別】

公開日 2020/07/19 14:33

変更日 2024/06/20 18:05

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これまで韓流に興味のなかった中年・壮年男性の間で巻き起こっている韓国ドラマブーム。火付け役となったのは『愛の不時着』や『梨泰院クラス』といったネット配信ドラマ。しかし、その2本を見終わった後、次に何を見ればいいのか? そんな悩みを解消する傑作韓国ドラマをジャンル別にピックアップ。

『ミセン-未生-』

サラリーマンの悲哀と諸問題を凝縮

あらすじ

天才囲碁少年として将来を期待されたチャン・グレは、父の死をきっかけにプロ棋士になる夢をあきらめ、大学にも行けず、26歳でいまだフリーター。母のツテで大手総合商社のインターンとなったが、社会経験も学歴もなくミスを連発する。しかし、なんとか契約社員として認めてもらい、営業3課に配属されると、上司のオ課長やキム代理に見守られながら、囲碁で培った洞察力と研究熱心さを発揮し実績を積んでいく。一方、同期入社の仲間たちも、それぞれの配属先で悩みを抱えていた。彼らはときにぶつかりあいながら成長していく。

見どころ

 「ミセン(未生)」とは、韓国の囲碁用語で「死にも生きもしない弱い石」のこと。いつクビになってもおかしくない未生の新入社員が、サラリーマン社会で生き抜くリアルヒューマンドラマ。同名の韓国Webコミックのドラマ化で、実は日本でも『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』としてリメイクされているが、低視聴率に終わっている。
 しかし、韓国では大ヒットを記録し、ケーブルテレビの歴代視聴率で2位、その年のコンテンツパワーランキングでも2位を記録。韓国での主演はK-POPアイドルグループZE:Aのメンバーから俳優としてもブレイクしたイム・シワン。これがアイドルドラマだとスルーしていたら本当にもったいない。
 大企業ならではの出世争いに派閥争い、社内不正、セクハラにパワハラ、社内イジメに雇用格差など、日本にもそのまま当てはまるサラリーマン社会の現実が描かれている。注目はヒロインのカン・ソラではなく、上司であるオ課長を演じるイ・ソンミンとキム代理のキム・デミョン。出世競争からはずれたうだつの上がらない風貌なのに、部下思いで仕事もできる、まさに理想の上司。部下に煙たがられている中間管理職は、すぐにオ課長を見習ってください。

『サラリーマン楚漢志』

中国の歴史を現代社会に置き換えた風刺コメディ

あらすじ

大手製薬会社チョナ(天下)グループのチン・シファン会長が、不老不死の新薬開発プロジェクトを立ち上げ臨床試験を実施。しかし、社内の反対派は三流大出身で無職のユ・バンを採用して妨害工作を画策する。ところが、ユ・バンに与えられた仕事は、わがまま放題な会長の孫娘ヨチの世話係だった。一方で、ライバル会社チャンチョ製薬のエリート社員チョ・ハンウも、新薬開発阻止のためにスパイとして送りこまれていた。ユ・バンは、ヨチにふりまわされながら新薬を巡る大企業の陰謀に巻き込まれ、ハンウに対抗していく。

見どころ

 「楚漢志」とは、中国の秦始皇帝の死後、覇権を争った楚の項羽と漢の劉邦の戦いを描いた歴史小説。主人公ユ・バンは劉邦、ハンウはそのライバルの項羽。天下グループのチン・シファン会長も秦始皇、ヨチも劉邦の皇后で三大悪女のひとり呂雉を韓国語読みしたもの。そんな楚漢戦争を現代のサラリーマン社会に置き換えているので、歴史を知っていればある程度のストーリーは見えてきそう。
 しかし、このドラマはただの産業スパイものでも企業戦争ものでもない。ブッ飛んだギャグと衝撃的な展開がてんこ盛りな痛快エンターテインメント。韓国では高視聴率につき2話延長されにも関わらず、イケメン韓流スターがいないせいか、日本では不発に終わっている。主演がごつい顔のイ・ボムス、ライバル役が昭和な二枚目チョン・ギョウンという組み合わせでは仕方がないともいえるが、両者共に演技力に定評のある実力派。そんな二人が真剣にコメディに取り組み爆笑を誘う。
 また、ヨチを演じるチョン・リョウォンのエキセントリックなワガママぶりが最高。劣勢を跳ね返す爽快感は『半沢直樹』、不条理さは『勇者ヨシヒコ』に通じる隠れた名作。

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