公開日 2020/07/19 14:33
変更日 2024/06/20 18:05
Netflix『愛の不時着』
これまで韓流に興味のなかった中年・壮年男性の間で巻き起こっている韓国ドラマブーム。火付け役となったのは『愛の不時着』や『梨泰院クラス』といったネット配信ドラマ。しかし、その2本を見終わった後、次に何を見ればいいのか? そんな悩みを解消する傑作韓国ドラマをジャンル別にピックアップ。
子どもの頃に同級生が誘拐されるという事件に遭遇したヘヨンは、成長すると長期未解決事件チームのプロファイラーとなる。事件の時効が迫る中、ヘヨンは廃棄処分寸前の壊れた警察無線を手にする。ところが、突然無線から声が聞こえ、交信相手のジェハンという刑事の言葉から、事件の有力な手がかりを入手する。やがてヘヨンは、ジェハンが15年前に失踪した刑事で、時を超えて無線でつながっていることを知る。そして、ヘヨンの上司にあたるスヒョンは、かつての上司であったジェハンの行方を今も捜していた。
男は大抵刑事ドラマ、バディものが大好き! 韓国ドラマにも数々の名作刑事ドラマがある。しかし本作は紛れもない最高傑作として日本でもリメイクされている。バディを組むのは15年の時間を隔てて無線でつながる2人の刑事。泥臭く足で捜査する昔気質の刑事と、最新のプロファイリングで捜査する若い刑事。普通ならぶつかりあうはずの2人が、顔を合わすこともせず、わずかな時間につながる無線機を通して、時を超えた未解決事件を解決に導く。そして、捜査をしていく中で浮かび上がる2人の関係と、ジェハンの未来が明らかになっていく。
この両者をつなぐのが女刑事のスヒョンを演じるキム・ヘス。過去にはジェハンに憧れる新米刑事、現代ではヘヨンを見守るベテラン刑事という別年代の同じ役を演じ分けている。
ミステリアスな事件の数々は実際の韓国の未解決事件ともリンクしており、放送された2016年には、韓国のドラマ大賞を総なめにした傑作。日本版を見たという人も、見ていない人も、一度は本家を見てもらいたい。ちなみに、先に紹介した『キングダム』と同じ脚本家。
女性ばかりを狙う連続殺人事件が発生し、捜査にあったっていた刑事も殺される。事件解決のため、警察庁長官は停職中の問題刑事オ・グタクを復帰させる。そしてオ・グタクが出した条件が、腕っぷしなら誰にも負けない元暴力団員のパク・ウンチョル、凄腕の殺し屋チョン・テス、サイコパスの最年少連続殺人犯イ・ジョンムンという、3人の服役囚を釈放し部下に付けることだった。犯人を捕まえた者は減刑するという条件のもとに結成された凶悪犯チームは、それぞれの特技を発揮して捜査を進め、やがて驚愕の真相に近づいていく。
刑事ものとはいえ、本作は『スーサイド・スクワッド』的に犯罪者が犯罪者を追いかけるクライムサスペンス。チームを率いるリーダーのオ・グタクも、強引な捜査で「狂犬」と呼ばれる暴力刑事。相棒としてカン・イェウォン演じる女刑事がいるが、圧倒的なまでに男臭いドラマ。
とにかく集められたチームのメンバーが濃い。主演はいぶし銀のキム・サンジュン。さらに腕っぷしひとつで組を支えた元暴力団員に筋肉マッチョのマ・ドンソク。近年映画にもドラマにも大人気の俳優で、強面なのに人情家という役がハマリ役。まさに「マ・ドンソク作品にはずれなし!」で、この顔の出ている作品は要チェック。
ビジュアル的には達成率100%の殺し屋にチョ・ドンヒョク、サイコパスな連続殺人犯役にパク・ヘジンがいるものの、彼らの演技も真に迫っていて、顔がキレイなだけに逆に怖い。
OCNの歴代ドラマ視聴率1位となり、スピンオフドラマ『バッドガイズ2~悪の都市~』も制作。なんと2019年には「バッドガイズ:THE MOVIE」として映画化されている。映画ではキム・サンジュンとマ・ドンソクが再びタッグを組み、秋夕(チュソク:旧盆の連休)シーズンの興行収入1位を記録した。