公開日 2021/01/22 23:42
変更日 2024/06/20 18:05
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東方神起のユンホが新曲でカムバック! それに先立ちRAIN(ピ)が師匠であるJYPとコラボ! 両者に共通するのがストーリー性のある完成度の高いミュージックビデオ(MV)。そこで、90年代末から韓国音楽業界を席巻した、ドラマタイズMVの名作をご紹介。どの作品も映画を見終えたかのような完成度と満足度。
韓流ドラマファンには『応答せよ1997』で流れていたのを思い出す人もいるだろう。1998年にリリースされた「To Heaven」は“バラードの王子”と呼ばれたチョ・ソンモのデビュー曲。当時はビジュアル重視のK-POPアイドルが大流行した第一期にあたるが、チョ・ソンモは自身の顔は一切出さず、本物の俳優を使った映画のようなMVを製作。天国にいる彼女にあてたメッセージという曲の内容にあわせた切ないストーリーで、主演を務めるのは元祖韓流スターのイ・ビョンホン。さらにキム・ハヌルやホ・ジュノなど映画で活躍するスターが多数出演し、映像の完成度の高さと切ない歌声の相乗効果で大ヒットを記録。1集アルバムは150万枚という歴代最高のセールスとなった。以後、韓国の音楽業界ではドラマタイズMVが大流行。莫大な予算をかけてスターを起用し、北海道など海外でのロケも頻繁に行われたが、同時に「ラストシーンで誰かが死ぬ」というのがお約束になった。チョ・ソンモは「顔のない歌手」とも呼ばれたが、ベトナム戦争を再現した2002年の「アシナヨ」に出演。2005年の「Mr. Flower」には日本から大沢たかおが出演している。
上のチョ・ソンモが“バラードの王子”と呼ばれたのと同じく“バラードの女王”と呼ばれたのが女性シンガーのイ・スヨン。1999年に「I Believe」でデビューし「そして、愛してる」や「ラララ」などヒット曲を連発。北海道で撮影されたMVなどもあるが、どれも涙なくしては観られない傑作ぞろい。そんな中で注目したいのが2006年リリースの7集タイトル曲「GRACE」。実は2004年に一度日本デビューしているが、男性俳優人気がメインの第一次韓流ブームの中で結果を残せずに撤退。帰国して再出発して発表された楽曲だが、『麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち』など、時代劇から現代劇まで幅広く活躍する韓流イケメンスターのイ・ジュンギが出演している。道着姿が凛々しいイ・ジュンギだが、実は大学の熱気球同好会の資金集めのデモンストレーションで剣技を披露しているという設定。そんな彼を追って入部した高所恐怖症のヒロインと、ライバルとの三角関係が描かれる。失恋を匂わせるエンディングだが、実はMVには2パターンあり、さらに後続曲の「秘密」で謎が明らかになる。心情的にはハッピーエンドで終わって欲しいが、どちらも余韻を残す終わり方が韓国的。いずれにせよ、イ・スヨンのMVで「誰も死なない」というのが奇跡に近い。