公開日 2021/01/22 23:42
変更日 2024/06/20 18:05
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東方神起のユンホが新曲でカムバック! それに先立ちRAIN(ピ)が師匠であるJYPとコラボ! 両者に共通するのがストーリー性のある完成度の高いミュージックビデオ(MV)。そこで、90年代末から韓国音楽業界を席巻した、ドラマタイズMVの名作をご紹介。どの作品も映画を見終えたかのような完成度と満足度。
日本におけるK-POPブームの中核となったBIGBANGは、コロナによりカムバックが延期されているものの、現在も待望論が根強い。デビュー当初はストーリー性の高いMVを制作しており、2007年に発表された「嘘(コジンマル/거짓말)」は、韓国の音楽チャートでは7週連続1位を獲得。その年のMnet音楽賞では最優秀楽曲賞や最優秀男性グループ賞を受賞。続く「最後の挨拶(マジマクインサ/마지막 인사)」も8週連続1位となっておりどちらのMVも傑作だが、「嘘」は作詞作曲も手がけるリーダーのG-DRAGONが、よりストーリーに深く関わっているのがポイント。冒頭で逃げ回りながら電話するも警察に捕まってしまったG-DRAGON。電話の相手のヒロインは目的もなく街を徘徊し、周囲を他のメンバーが歌いながらまとわりつく。メンバーは彼女の心象の代弁者として登場しているという形で、次の「最後の挨拶」でもメンバーはストーリーには関わらない。しかし、ストーリーが進むに連れて、G-DRAGONは恋人を殺したヒロインの罪を被って警察に捕まったことが明らかになる。留置所で面会したヒロインに対してつれない態度をとり去っていく。曲の内容が「本当は好きなのに真逆な態度をとってしまう自分」を歌っているのと同様に嘘から始まった悲恋をスタイリッシュに描いている。最後にメイキングシーンではしゃいでいる姿もキュート。まさにBIGBANGをブレイクに導き、人気を不動のものとした名作。
『華麗なる遺産』など俳優として人気の高いイ・スンギは、そもそも2004年に17歳の現役高校生シンガーとしてデビュー。年上の彼女に背伸びする「俺の女だから」がヒットしたことで“国民の弟”と呼ばれる人気を獲得。歌手、俳優だけでなくバラエティー番組でも活躍する大スターとなった。紹介するMVは2006年にリリースした2集の活動曲「言いにくい言葉」。曲の内容は別れる彼女に向けた言葉で、MVとはまったくリンクしていない。しかし、淡い初恋を描いたストーリーもかなり甘酸っぱい。地味な男子高校生が転校してきた不良女子高生に恋心を抱き、徐々に距離を縮めていく。しかし、不良仲間はそんな彼女を許さず男子高校生をリンチ。それでも男子高校生は彼女を守るために立ち上がり、最後は不良と縁を切った彼女と結ばれる。共演はイ・ジュンギの「犬とオオカミの時間」などでもヒロインを務めたナム・サンミ。実際には高校時代は生徒会長も務めたというイ・スンギが、あえてイケていない男子高校生を演じているのがポイント。内気でファッションも今ひとつという風采ながら、時々見せる男らしい態度に胸がキュンキュンし、最後に不良に詰め寄るシーンは圧巻だ。イ・スンギのMVにはドラマ仕立てのものが多いが、俳優でもあるだけにどの作品でもさすがの演技を見せる。