公開日 2020/07/18 16:54
変更日 2024/08/07 17:50
https://chingutotheworld.com/when-the-camellia-blooms-is-extended/#
現在Netflixで配信中の「愛の不時着」、「梨泰院クラス」の一大ヒットをきっかけに日本で新たなブームを巻き起こしている韓国ドラマ。今回は冬ソナの大ヒットから現在の新ブームに至るまで変化を遂げてきた韓国ドラマの歴史を辿り、そして韓国では今どんなドラマがヒットしているのか、最近の韓国でのヒット傾向にも迫る!
https://entertain.naver.com/read?oid=469&aid=0000344529
社会現象を巻き起こした『SKYキャッスル』
もちろん「愛の不時着」は韓国でも高い視聴率を叩き出し大ヒットしているが、実はそれは”例外”だったりする。韓国では今、恋愛ドラマの視聴率が軒並み伸び悩んでいるのだ。
これまでの韓国ドラマといえば、現実離れした奇想天外な設定や、純愛を描いた恋愛ドラマを中心に大ヒットしてきた。だが2018年くらいからその流れが変わってきている。
親の過剰な教育熱に焦点を当て、韓国で社会現象を巻き起こした「SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜」のような社会的なメッセージが込められた作品や、”人は人の奇跡になりうるのか”という一貫したメッセージを温かな感性で描き、深い余韻を残した「椿の花咲く頃」といったリアリティのあるヒューマンドラマが大ヒットするようになった。
https://entertain.naver.com/read?oid=213&aid=0001137401
Netflixで配信中の「椿の花咲く頃」
これは韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれることもある「百想芸術大賞」の結果を見ても明らかである。
昨年2019年大賞は、心に響く歴代最高の名作と呼び声高い「まぶしくて-私たちの輝く時間-」のキム・ヘジャが受賞、作品賞は近年希薄になった人と人とのつながりを描いたヒューマンドラマの名作「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜」が受賞した。
https://medicalreport.kr/news/view/97256
2019年「百想芸術大賞」大賞を含む2冠を達成した「まぶしくて-私たちの輝く時間-」
2020年は、「愛の不時着」や「キングダム2」といった歴代級に豪華なラインナップの中、「椿の花咲く頃」が大賞を含む4冠を達成し、作品賞は落ちこぼれ野球球団の裏方スタッフの奮闘を描き、大ヒットしたスポーツヒューマンドラマ「ストーブリーグ 」が受賞している。
https://m.post.naver.com/viewer/postView.nhn?volumeNo=27257938&memberNo=35796412&vType=VERTICAL
2020「百想芸術大賞」で作品賞を受賞した「ストーブリーグ」
どうしたらこんなにも面白く且つ人を惹きつける作品を作れるのかという程、全ての作品の脚本が秀逸であり、ヒューマンドラマの最高峰とも言える程完成度が高い。製作陣と俳優陣の、”絶対に良い作品を作り上げる”という執念をも感じる。
また非地上波歴代最高視聴率を叩き出した2020年最大のヒット作「夫婦の世界」も、単なる昼ドラさながらの”不倫ドラマ”ではない。不倫から壊れていく夫婦や親子といった人間関係、葛藤する人間の複雑な感情をリアルに描いた作品。夫婦とは何か?親子とは?と妙に考えさせられてしまう、まさにリアリティある作品なのだ。
https://entertain.naver.com/read?oid=009&aid=0004516047
非地上波歴代最高視聴率を叩き出した「夫婦の世界」
韓国は今、脱恋愛ドラマの流れが進み、「椿の花咲く頃」や「賢い医師生活」といった、派手な演出やどんでん返しなストーリーではなくとも、骨太シナリオで人々を感動させるヒューマンドラマがトレンド傾向にある。韓国ではどこか視聴者が”共感できる”ことが今ドラマに求められているのだ。「愛の不時着」は、純愛を描きながらも北朝鮮というテーマを扱った事によりその”リアリティ”がしっかりと視聴者に届き、軒並み恋愛ドラマが伸び悩む韓国で例外的にヒットしたのではないかと思う。
”より上質なドラマを作り上げる”というエンターテイメントへのこだわりが、多くの名作ドラマを作り上げてきた。
高視聴率を叩き出した大ヒットドラマだけでなく、掘れば掘るほど素晴らしい作品が山ほどある韓国ドラマ。日本でも一大ブームが巻き起こりスポットライトが当たっている今、第一次韓流ブームから今に至るまで誕生した多くの隠れた名作たちにもスポットライトが当たり、韓国作品の奥深さが知れ渡ることを願いたい。