公開日 2022/11/09 17:00
変更日 2024/06/20 20:03
[c] 2022 TIFF
第35回東京国際映画祭と国際交流基金による共同トークイベント「交流ラウンジ」が10月29日に開催され、深田晃司監督と台湾のツァイ・ミンリャン監督が対談。互いの作品や、日台の映画事情についての熱いトークを取材しました。
台湾を代表する監督のひとりであるツァイ・ミンリャン監督は『愛情万歳』(94)でベネチア国際映画祭の金獅子賞、『河』(97)でカンヌ国際映画祭の銀熊賞に輝きました。深田監督も『淵に立つ』がカンヌ国際映画祭のある視点部門で審査員特別賞を受賞、最新作『LOVE LIFE』がヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門出品と、両監督ともに世界の映画祭で高く評価されているのです。さらに、対談後、深田監督は東京国際映画祭黒澤明賞も授賞しました。
以前からツァイ監督をリスペクトしていた深田監督は少し緊張気味でしたが、ツァイ監督は事前に観た深田監督作『ほとりの朔子』(13)、『淵に立つ』(16)、『海を駆ける』(18)の感想を伝えるところから対談は始まりました。
写真左から深田監督とツァイ・ミンリャン監督 [c] 2022 TIFF
ツァイ「どれも本当に素晴らしかったです。深田監督の映画手法、言葉の使い方が私によく似ていると感じました。私はここ数年、劇映画を撮っていなかったのですが、深田監督の作品を見て、また撮りたいという思いが湧いてきました」
深田「想定外のお言葉をいただきとても嬉しいです。若い頃からツァイ監督作を観ているのでその作品や発言を通して、自分も共通することが多いと感じていました。ツァイ監督の作品は初監督作『青春神話』から研ぎ澄まされて、物語を進めるための映像やセリフが消費されていないのが素晴らしいと思います」