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東京国際映画祭でツァイ・ミンリャン、深田晃司、世界が注目する両監督の初対談が実現!

公開日 2022/11/09 17:00

変更日 2024/06/20 20:03

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第35回東京国際映画祭と国際交流基金による共同トークイベント「交流ラウンジ」が10月29日に開催され、深田晃司監督と台湾のツァイ・ミンリャン監督が対談。互いの作品や、日台の映画事情についての熱いトークを取材しました。

ツァイ「日本には良い観客、良い配給会社があると思います。『河』を配給してくれた会社は「この映画を日本の観客に観せたい」と公開にこぎつけてくれました。日本にはさまざまな作品を観客に観せたいと思っている人たちがいます。台湾にはあまり良い配給会社がないのです。私は以前、自分でチケットを手売りしていました。公開1ヶ月前から俳優と一緒に街に出て、1万枚のチケット売るんです。それを劇場の人に見せて、これだけ売ったので2週間必ず上映してくださいとお願いする。そうしないと私の作品は1日で上映が終わってしまう。ヨーロッパの観客は普段から美術作品に接しているので、様々な映画を見る習慣がある。アジアの観客は商業的な映画を観る習慣しかない。そこで私は美術館と提携して、映画を美術館で上映しようと考えました。観客を美術館から育てていく。深田さんの参考になればと思うのですがどうでしょう?」

深田「とても参考になります。フランスでも興収ランキングでは娯楽映画が多くを占めますが、よくわからないけれど外国から来た作品を見てみようと思う層も多い。自分の作品も日本よりフランスの方がお客さんが入っていて、海外配給が決まっていきます。フランスは学校で映画の授業で小津安二郎監督作などを観るそうで、そんな取り組みで観客が育っている。まずはコツコツと作りたいものを作って、お客さんを増やすのが大事ではないかと考えています」

[c] 2022 TIFF

アカデミー賞も受賞し勢いを増す韓国映画についても語り合いました。

ツァイ「韓国の作品は非常に商業的なものが多い。映画だけでなくTVドラマもそうです。システム的にうまくできている。映画産業として成り立つ非常にうまいやり方をしている。しかし、表現としては韓国の監督たちも悩むことが多いんじゃないかと思います。私自身はイ・チャンドン監督の作品がとても好きです。ただイ・チャンドン監督の作品も商業的にはあまり良くないのではないでしょうか。作品を撮るというのは自分の好きな作品を撮るか、大衆に合わせた作品を撮るかの二者選択であると思います。私からすれば映画を撮ることは自分の創作を追求し続けると言う事以外にありません。映画産業とはあまり関わりのないことだと思っています」

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