公開日 2020/07/04 15:58
変更日 2024/07/31 14:02
韓国ドラマが大ブームですが、韓国発の本も注目を集めています。 受験戦争、熾烈な競争社会や長時間労働など、抱えている問題や文化が似ている日本と韓国。だからこそ共感できる部分も多いんです。韓国でも大ヒットした、韓国本初心者さんにもオススメの4冊をご紹介します。 たまには活字に触れてみるのもいいかも。
主人公であるキム・ジヨンは一児の母で、IT関連の中堅企業に勤める夫と3人でソウルのはずれにあるマンションに住んでいる。ある日を境に、彼女は突然自分の母親や友人の人格が憑依したように振る舞い始める。いったい何が彼女の精神に歪みをもたらしたのか――。本書はキム・ジヨンの生まれた1982年からその半生を振り返りながら、彼女が幼少期から大人になるまでに経験してきた様々な理不尽や不平等、女性であるがゆえの困難を克明に描き出す。
家父長制が残る、まだまだ男性優位な韓国の社会。
そんな韓国で暮らしてきたごく一般的な女性、ジヨンがそれまでの人生で感じてきた、女性として生きる上での理不尽なエピソードを淡々と綴った作品。
その理不尽なエピソードにたくさんの女性が「私も経験ある」と共感しました。
日本に生まれ日本で育ち年齢も違うが、この話は私のことが書いてあると思った。 読んでいる間ずっと、これまでに受けてきた理不尽な待遇、女だからと我慢させられたあれこれが次々と思い出されて、腹わたが煮え繰り返った。 この話にピンと来なくても他人事だと切り捨てないでほしい。これはあなたの祖母や母や姉妹や友人、隣人の話だからだ。
世界的な#MeToo運動の高まりとも重なり、社会現象に近いブームを生み出した本作品。
女性読者だけでなく、進歩的な考えを持つ男性の支持も得たことでより大きなうねりを生むに至ったようですが、例えばこの作品を「読んだ」と発言したRed Velvetのアイリーンや、映画化の主演を引き受けたチョン・ユミに対して反感を表明する人たちがいたことも事実でした。
秋にはチョン・ユミとコン・ユが出演した映画が日本でも公開されますが、ぜひそれに先立って、原作にも目を通してみてはいかがでしょうか。