公開日 2022/12/05 20:00
変更日 2024/08/07 10:09
拳銃と空薬莢のイメージ
実話を元にして描いた韓国サスペンス映画を紹介します。今回リストアップした作品は、韓国の社会について深くえぐったものばかりです。また、映画のモデルになった事件についても解説しています。全て実話だからこそのリアリティです。【※2023年3月20日更新】
ソウル 明洞 ※一部ソフトフォーカス
韓国の実話映画の特徴としては、政治や韓国社会に切り込んでいることです。
日本やハリウッドの実話映画の場合、感動に重きが置かれている作品が中心となっています。韓国も例外ではなく、ハンカチ必須の感動実話映画も増えてきました。
ただ感動実話映画であっても、当時の世相や社会問題を鋭く描いた作品が多くなっています。特にサスペンスとなると容赦なく切り込み、メッセージ性はかなり強くなっています。
実話がベースの韓国サスペンス映画の中から、特に「kinenote」で評価が高いものだけをチョイス。「kinenote」は、映画レビューサイトです。映画を誰よりも観てきた方達が投稿しているので、信頼度はあります。
監督:ユン・ジョンヒョン
キャスト:チュウォン/ユ・ヘジン/イ・ユヨン
ある漁村で、女性の遺体が発見されました。遺体の身元は兄と仲睦まじく暮らしていたウジンでした。ウジンの兄であるジャンヌは、悲しみに暮れます。そんな中、ウジンは1人の怪しい男性の姿を目撃し…。
映画の内容はオカルトじみていますが、事件そのものは実在しております。1999年に釜山で発生した、女子大生変死事件。映画では兄が事件を追いかけていましたが、モデルになった事件では父親が娘の死の真相を探っていました。
kinenoteスコア:60.0
監督:キム・テギュン
キャスト:キム・ユンソク/チュ・ジフン/チン・ソンギュ
映画「暗数殺人」のモデルとなったのは、釜山で発生した連続殺人事件です。
事の成り行きは、刑事の元に届けられた一通の手紙。手紙の内容は表に出ていない11件の殺人の告白でした。真相を確かめるために、刑事は手紙の送り主が収監されている刑務所へ。送り主から手渡されたのは、11件の事件をまとめた一覧表でした。
送り主はなぜ、自らの犯行を刑事に告げたのでしょうか?真相は分かりません。なぜなら犯人は、自らの人生に幕を下ろしてしまっているから…。
kinenoteスコア:72.3
監督:カン・ユンソン
キャスト: マ・ドンソク/ユン・ゲサン/チョ・ジェユン
マ・ドンソク出演のクライムサスペンス映画「犯罪都市」。内容はフィクションですが、2004年に衿川警察によって実際に実施された「犯罪組織一掃作戦」を基にして映画化されました。
ターゲットになった犯罪組織は、海外からやって来た者達。彼等は組織化され、数多くの犯罪に手を染めていきました。さらに2007年におこなわれた「暴力団一斉検挙」も、映画のベースに。韓国の警察、やる時はやります!
kinenoteスコア:76.3
監督:チャン・ギュソン
キャスト:イ・ドンフィ/ユソン/チェ・ミョンビン
幼い少女が手をかけたのは、自分の弟でした。あまりにも衝撃的な映画の内容ですが、2013年に実際に起きた「漆谷継母児童虐待死亡事件」がもとになっています。
慶尚北道で8歳の女の子が死亡。死亡原因は内臓破裂で、母親と女の子の姉の関与が疑われました。母親は継母で、女の子とは血の繋がりのない義理の娘です。ところが、裁判において娘の口から「単独犯で継母は関係ない」と証言したのでした。しかし、真実はもっと残酷なものに…。
韓国における家族のトラブルは社会問題になっています。韓国政府も対策に乗り出しているものの、家族のトラブルだけはどうしようもないのが現状です。本記事では「トラブル」と言葉を濁していますが、内容はもっと悲惨。
事件は10年前に起きましたが、今も世界のどこかで似たような事態になっているかもしれません。目を背けたくなる内容ですが、無視してはならない現実です。
kinenoteスコア:76.3