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「代表作になる」 坂口健太郎&イ・セヨンインタビュー 韓国ドラマ『愛のあとにくるもの』

公開日 2024/10/11 20:00

変更日 2024/10/11 20:00

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2024年10月11 日(金)より Prime Videoにて見放題独占配信開始の『愛のあとにくるもの』。W主演を務めるのは、本作が韓国ドラマへ初の出演となる坂口健太郎と、”時代劇クイーン”の異名を持つイ・セヨン。絶大な人気を誇る日韓のトップ俳優が、国境を超えた切なく甘い恋物語を紡ぎます。 Kboardでは、作中恋人同士を演じた2人に直撃取材!作品の魅力、撮影での苦労など、その裏側が明らかに。記事の後半では、来日記者会見の模様もお伝えします。最後までお見逃しなく!

韓国ドラマ『愛のあとにくるもの』坂口健太郎&イ・セヨン インタビュー

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9月都内某所。「よろしくお願いしま~す!」と明るい声色で挨拶をし、颯爽とインタビュー会場へ登場した2人。席に座るなり「暑くない?」と流ちょうな日本語で坂口健太郎(以下坂口)へ話かけるイ・セヨン(以下セヨン)。「え、本当? あ、(撮影を行った)あっちの部屋はね」と、繰り広げる自然な会話は、まるで潤吾とホンを見ているよう。セヨンは「もうここでは写真を撮りませんか?」とスタッフに聞き、撮らないことが分かると安心した様子でジャケットを脱ぎ、リラックスした雰囲気の中でインタビューがスタート。

「彼女に助けられた」言語の壁を超えたポジティブマインド

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――『愛のあとにくるもの』は、国境を超えた男女のロマンスを情緒的な描写で美しく紡ぎ出した作品です。お2人が感じた作品の魅力、見どころを教えてください。

セヨン:このドラマは、対比をしながら観る面白さがあります。5年前と5年後、運命的な恋に落ちる時と別れた後、潤吾とホンの視点、季節感も違います。原作の小説は、ホンと潤吾の2人の視点に分かれているのですが(原作をご存じの方は)それをドラマの中でどのように表現しているのか、比較しながら観てもらうと面白いと思います。

坂口:男女が国を超えた恋に落ちるのも一つの見どころだと思います。(大多数の恋愛作品では)出会い、とっても幸せな時間を過ごして、すれ違い、別れがあってと、たぶんそこぐらいまで。この作品では、そこから5年の時が流れもう一度(元恋人同士の2人が)出会う。2人の間に存在するいろんな愛情の側面を描いています。それはもしかしたらカンナ(中村アン)かもしれないし、ミンジュン(ホン・ジョンヒョン)かもしれないし。多彩なパターンで愛の感情を描いた、というのがこの作品特有の見どころだと思います。

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――劇中、潤吾とホンは共通点を見つけながら親しくなります。本作での共演を通して見つけた2人の共通点はありますか。

セヨン:撮影後、インタビューを受けながら感じたのですが、私と(坂口は)考え方が似ています。私は普段「私と仕事をする方々がみな幸せになってほしい、パワーをもらってほしい、撮影が良い記憶となってほしい」という理由から、現場でたくさん笑い、スタッフさんと冗談を言い合い「楽しく撮影しよう」と良い雰囲気作りを意識しています。こうした考え方や、現場での言動も(私と)似ていました。(坂口へ向かって日本語で)いい人だよ。

坂口:(はにかみながら)そうだね。

坂口:言語という点で、(現場に入ったばかりの時は)ほぼすべてのスタッフさんとコミュニケーションが取れなかったんです。なので、はじめは「苦戦するかな?」と思っていたのですが、監督やセヨンさんが、拙い僕の韓国語に耳を傾けてくれたので、すぐに輪に入っていくことができました。

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彼女がいま言った「幸せになってもらいたい、楽しんでもらいたい」という気持ちは僕も一緒です。だからこそ、みんなには幸せな時間を過ごしてほしいと思います。言葉は通じないけれど、彼女がそういうスタンスでいてくれたから、居心地がよかったです。冗談を言ってふざけて、という時間がすごく多かった。だから僕自身も助けられたし、彼女がポジティブなテンションで居てくれたので、僕もポジティブで居やすかったです。

――言語の壁は感じませんでしたか。

坂口:あまり感じなかったですね。台本という地図のようなものがあり、目指す場所は同じだったので。(現場のスタッフさん)みんなが潤吾とホンを美しく撮りたいと思ってくれたし、2人の関係性の一瞬を拾うことに全力を注いでくれたので、すぐに(言語へ対する)不安はなくなりましたね。

――日韓の撮影現場の違いはありましたか。

セヨン:(日本語で)これはシークレットなのですが、韓国では、リハーサルも本番のように撮影されます。日本では本番でしっかり撮影を行っていくので、似ているけれどちょっと違う気がします。

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坂口:(「なんだろうな…」と少し考え)これが韓国の現場なのか、ムン監督の撮影スタイルなのか、まだ僕もわからないけれど、日本では段取り、テスト、テストで固めたものを本番で放出する形で進めます。(今回の作品では)ほとんどがリハーサルの中で、監督となんとなくのセリフ合わせをして「じゃあ撮っていこうか」という感じ。リハーサルの掛け声は一瞬ありますが、ずっとカメラが回っているんです。「これはテストではなく、すべて本番で撮影していくのですか」と撮影監督に聞いたら「テストで一番良い表情が出るかもしれないから」と、当たり前のように話してくれました。ムン監督は、初めて目が合った瞬間など、リアルに生まれる一瞬の刹那的なお芝居を撮ろうとしてくれました。そのスピード感のようなものは、すごく感じましたね。

「代表作になると思います」 ”価値を上げた”意味深い作品

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――初の韓国ドラマへの出演、外国語でのセリフ、日韓俳優の共演と、初めてづくしの作品です。お2人の俳優人生において、『愛のあとにくるもの』はどのような作品でしょうか。

セヨン:私にとって、(本作は)「可能性」だと思います。俳優という職業はさておき、「何をしても、何歳からでも遅くない、何でもできるんだ」と思わせてくれました。中でも日本語での演技で大変だったのは「聞くこと」でした。ある特定のセリフを聞きながらうなずいたりと、(言語が同じだと)直感的に反応をしますが、タイミングが違うとそのショットは使うことができません。それを合わせる作業が非常に大変でした。時間が経ち、楽しさやトキメキを感じ始めてからは、その大変な気持ちも段々払拭されていきました。この作品への出演を通し、しきりに「もしできなくても、挑戦してみたい」と思うようになりました。例えば、日本で日本人の役だったり…? そんな欲も出てきましたね(笑) ファイト!(笑顔で小さなガッツポーズをするセヨン)

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坂口:「韓国で坂口くんは人気だよね」 と言ってもらうことがあるのですが、これまで映画の舞台あいさつでお邪魔したことくらいしかなく、韓国の作品には出たことはありませんでした。なので、昨年ファンミーティングをやった時に、すごくたくさんの方がいらしてくださったのですが「なぜ、何(がきっかけ)で僕を好きになってくれたんだろう…」と。もちろん、配信作があり国同士の垣根は低くなっているとはいえ、直接僕が(韓国の)作品に携わったことがなかったから、胸を張って「人気なんだ」とは言えませんでした。なのでやっと「『愛のあとにくるもの』に出ました」と胸を張って言える、そんな作品です。

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初めての韓国作品は1回しかありません。これから2回、3回とやったときに、一番最初に思い浮かべられるのはこの作品ですし、「まず一つ、韓国で仕事をさせてもらえた」という意味で代表作になると思います。

セヨン:(通訳を聞き、フフフと笑いながら日本語で)(人気の)理由は、顔だよ。やっぱり(笑)

坂口:そうなのかな~、そっかぁ~。(と少し不思議そうに上を見上げる坂口)

最後まで通訳の話を聞くと、ここからほぼ日本語で会話をする2人。

セヨン:(坂口は)素敵な人。俳優です。
坂口:カムサハムニダ~。
セヨン:(日本俳優との共演、日本語でのセリフは)私も初めてです。
坂口:うん、そうだよね。
セヨン:私も初作品が(坂口さんと一緒で)光栄でした。
坂口:ありがとうございます。

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筆者が「最高の相性ですね」と声をかけると、照れ臭そうに笑う坂口と、「(日本語で)いえいえ~」とはにかむセヨン。インタビュー終了の声には「(日本語で)え、ホント?」と残念そうな表情を見せてくれました。最後は日本語で「とても光栄でした。ありがとうございます!」、坂口も「ありがとうございました」と、笑顔を絶やさぬ2人に、現場の雰囲気の良さが伺えました。

次ページでは、来日記者会見の模様をKboardのカメラが捉えた画像と共にお届けします!

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ERRY

気づけば毎年100本越えの韓国ドラマ&映画を視聴しているライター。 韓国語能力検定試験6級。 チャウヌ(ASTRO)、キム・ナムジュ、ティファニー(少女時代)個別インタビュー チ・チャンウク、パク・シネのファンミーティング取材 WEBマーケターをしながら、韓国ドラマや商品の魅力を広く発信しています。 塩漬け作品はあまりなく、一気観派。 チェックリストの選定に役立つ情報や、最新トレンドをお届けします。