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来日スター俳優ディーン・フジオカは怪物を超え始めている…。東京国際映画祭出品作『オラン・イカン』から出発点の香港映画作品まで大喜利解説!

公開日 2024/11/13 11:45

変更日 2024/11/13 11:45

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第37回東京国際映画祭の東京グランプリ作品が吉田大八監督の『敵』に決まった。個人的な注目作をいわせてもらうなら、「ガラ・セレクション」部門作品として上映された『オラン・イカン』である。監督はマイク・ウィルアン。主演は我らがディーン・フジオカ。この未知のタイトル作を引っ提げて、彼は今回の東京国際映画祭に“来日”したのである。レッドカーペット上でも“大喜利”的なコメントが話題だった。未見の『オラン・イカン』から出発点となった香港映画まで、来日スター俳優ディーン・フジオカについて、イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が大喜利解説する。

ダジャレではないけど大喜利ではある

誰か『オラン・イカン』を観た人はオランかい。ぼくは今年も東京国際映画祭にイカンかった。13作品が上映された「ガラ・セレクション」部門出品作品である『オラン・イカン』を観たかった。なのにイカンかった。ライフワークとしてディーン・フジオカについてのコラムを書いてる者の態度として、それイカン(如何)?

ダジャレではないけど大喜利ではある。なにせ我らがディーンさんは大喜利名人なのだ。9月7日と8日に福島で行われたライブイベント「風とロックと芋煮会 2024 イモニーシンフォニー」に初登場したディーンさんが「イモニー大喜利」の司会を担当していたし、今回の東京国際映画祭のレッドカーペット上でも記者の質問に応じてひたすらユーモラスな回答を連発していた。主演作『オラン・イカン』を観なかったのなら、せめて名人芸にあやかろう。観られなかった者たちは潔く未見作品を語るあらゆる場所を大喜利化するのがせめてもの礼儀じゃないのかい?

映画祭で本編を見逃したということは、これはどこかの配給会社が配給してくれるまで待つしかない。『オラン・イカン』という未知のタイトルから、映画に登場する怪物の姿を想像する。でも予告編がある。怪物が写ってる。プレデターみたいな感じなのかなぁ。この怪物についてレッドカーペット上のディーンさんはこう答えている。「やはりこの世界には未確認生物がいると確信し始めてます」。「オラン・イカン以外の未確認飛行物体をこの世に認めていいのかと。オラン・イカン飛びます」。怪物は、未確認生物であり、かつまた未確認飛行物体でもあるというのだ。さらに「なので是非、刺身にするなり、寿司にするなり、みなさんお任せします」とさわやかに続ける。いったい、どんな生物なんじゃいそりぁ。あぁ、わからん。こりゃイカン……。

東京国際映画祭『オラン・イカン』HP

来日できる唯一の日本人スター俳優

確か『ラストマイル』(2024年)のプレミアイベントでは会場に敷かれたオレンジ色のカーペットに対して「アパホテルと同じ色ですね」といっていたっけ。何色のカーペットでも大喜利化するディーンさんのユーモアはすぐにネット上で話題になる。東京国際映画祭レッドカーペットの様子を伝える各媒体の記事タイトルを見ると、“来日”という二文字がある。レッドカーペットに向かう前、「日本からではなくシンガポールやインドネシアから来ています」と挨拶している。今回の東京国際映画祭は、『オラン・イカン』を引っ提げての来日なのだ。そりゃ国外作品に日本人俳優が参加して、その作品が日本の映画祭に出品されることはよくある。でも来日と表記される俳優はあまりいない。「日本からではなくシンガポールやインドネシアから来ています」とあえていったのは監督含め海外スタッフへの温かな配慮からだろうが、つまり、ディーン・フジオカとは、来日できる唯一の日本人スター俳優なのである。

「コンペティション」部門の審査委員長は、香港の大スター俳優トニー・レオン。ディーンさんのSNS上にはこれまでにトニーとのツーショットが投稿されている。さらに審査員にはジョニー・トーが名を連ねる。レオン・ライとラウ・チンワンの名コンビ『ヒーロー・ネバー・ダイ』(1998年)や異形の柔道映画『柔道龍虎房』(2004年)、アンソニー・ウォン主演『エグザイル/絆』(2006年)など、以前、香港映画についてのコラム連載を担当したことがあるぼくにとって、トー監督は偏愛の対象である。この人は、1997年に香港がイギリスから中国に返還されてもなお香港を拠点として、香港スピリットを貫く肝がすわる巨匠監督だ。

トニー&トーが審査する映画祭に、ディーン・フジオカ主演作が出品される。こりゃイカン。やっぱりオラ、観に行きたかった。トー監督の常連俳優であるアンソニー・ウォン主演作『赦されぬ罪』が「アジアの未来」部門に出品されてたし。トー監督とディーン・フジオカのツーショットが見たい。見たくてたまらない。今度の出品作を勝手に想像するなら、ジョニー・トーの画面上で華麗なるアクションを披露するディーンさんが観たい。

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加賀谷健