公開日 2024/11/20 11:45
変更日 2024/11/20 11:45
LAS VEGAS, NEVADA - MAY 01: (L-R) Jimin and Suga of BTS perform onstage during the 2019 Billboard Music Awards at MGM Grand Garden Arena on May 01, 2019 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Kevin Winter/Getty Images for dcp)
BTSのジョングクとジミンが、来日のタイミングで『Are You Sure?!』札幌編を撮影して、ちょうど1年が経つ。グクミンによるこの旅行番組を観ると、あれやこれやと名場面を見つけながら、ひたらすらその瞬間の数々を愛でていたくなる。そこで、ジミンきっかけグク経由の札幌編名場面を紹介しておきたい。イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が解説する。
“グクミン”コンビで愛されるジョングクとジミンによる2人旅を記録した『Are You Sure?!』を観て、ぼくが名場面だと感じた場面は大きくふたつある。どちらもこれ見よがしではなく、いたって慎ましい。ひとつは最初の旅行地であるニューヨーク篇第2話。滞在最終日、グクミンが買い出しに出かける移動中の車内場面である。
ひたすらわちゃわちゃしていた2人が、ほっとひと息ついてそれぞれの音楽観を率直に明かし合う。きっかけはジミンである。彼は「曲を作るのは面白い」と自作について話す。対するグクは「僕は人に語るような話がない」と前置きして、用意された楽曲をいかに自分色のナンバーに染めるのかに注力していると説明する。その前置き自体が、大スターのパーソナルな一面を端的に開示するものだが、こんな赤裸々な発言を引き出す、聞き手としてのジミンのきっかけ作りのポテンシャルが素晴らしい。
もうひとつは、最終目的地となる札幌編。夜ホテルに到着して1泊する。コンビニで買った夜食に満悦のふたりは翌朝、ラーメンを食べに行く。札幌出身のぼくにも馴染みがある景色が写されるが、朝からラーメンとは。辛味ラーメンとチャーシュー丼をたらふく食べたグクが先に店からでる。外気とふれ合う有機的な瞬間のつややかなこと。ジミンがコーヒーを飲もうと提案して有機的な場面が続く。ふたりはドトールに入る。グクミンが札幌中心部のドトールに入店するだなんてね、もう感動。そのあと、コーヒーを片手に札幌駅を目指して歩く場面で、再度ジミンきっかけの名場面がある。
ジミンが言う。「寒い所でホットコーヒーを飲むと、ロマンがあるな」。さりげない一言である。だけど、この一言がさっきの外気との有機的なふれ合いと連動しながら、グクの心にもぽっとロマンの灯りを灯す。グクは普段なら徒歩を嫌う。でも冬は特別だという。(会話場面として前後するが)「いい感じだ」ととにかく札幌を気に入ったグクに対して、ジミンは札幌に「来たのは何年ぶりかな?」と追想する。グクは「僕たちがハイタッチとかをしてた頃だ」と答えるが、彼らがBTSとして札幌にきたのは、2016年のさっぽろ雪まつり以来である。2020年リリースの代名詞ナンバー「Dynamite」が、全米チャートで合計3週間首位の快挙をなしとげる前だと考えると、この札幌の地が、黄金のなごり雪を降らせていた場所なのだと夢想したくもなる。
こうした追想も織り交ぜてくるジミンの「ロマンがあるな」に対して、グクは「そうだな。ロマンがあっていい」と同意する。そして左手に持つコーヒーを飲むアップが写り、「あぁぁ~」と白い息をうっすら吐く。あぁ、ロマンだ。グクが吐くこの息によって完全に札幌はロマン化された。彼らが一泊目の宿にした京王プラザホテル札幌あたりから夜食を買ったコンビニ周辺を巡礼してみると新しい景色が感じられるのかもしれない。とにかくロマン。
札幌駅構内移動中は人々の注目を回避するために、画面がオフ状態になる。グクミンの声によるオフステージ。ホームで一瞬、汽笛が聞こえる。確かにこの汽笛は札幌のロマンの音。特に冬の季節、新千歳空港から札幌駅に到着して、ホームに降りた瞬間にこの音を聞くと確かに雪国のロマンを感じる。東京に住んでいるとこういうロマンを感じることは少ないよなぁ。ジミンきっかけグク経由で感じる札幌ロマンがある。