公開日 2025/03/22 15:00
変更日 2025/03/22 15:00
LOS ANGELES, CALIFORNIA - NOVEMBER 21: (L-R) V, Suga, Jin, Jungkook, RM, Jimin, and J-Hope of BTS attend the 2021 American Music Awards at Microsoft Theater on November 21, 2021 in Los Angeles, California. (Photo by Amy Sussman/Getty Images)
2025年は、待ちに待ったBTSイヤーである。メンバー7人全員がもうすぐ除隊して、BTSが再び完全体になる。ARMY1人ひとりが、BTSイヤーを駆け抜ける準備を整える中、愛聴したい世界的応援ソングがある。コラムニスト・加賀谷健が、リーダーRMが支える世界的応援ソングを独自解説する。
2024年6月にBTS最年長メンバーである、我らがJINさんが除隊した。除隊後初の日本のテレビ番組出演などの他、多くのメディアが景気よく報道していた。J-HOPEも同年10月にすでに除隊して、残すはリーダーRM、SUGA、テテことV、JIMIN、JUNG KOOKが2025年6月に除隊予定。メンバーが再び揃うBTSが、待ちに待った再始動なのだ。
今年2月に放送された『Venue101 Presents JIN SPECIAL』(NHK総合)完全版でJINは、早くメンバー全員でライブがしたいと何度も口にしていた。ぼくらも早く完全体となった彼らのあざやかな躍動を目にして、耳にしたいと待望している。全員が除隊するのはまだ少し先かぁなんてため息をつきながら、入隊前の思い出作りとしてJIMINとJUNG KOOKが、ニューヨーク、済州島、札幌をめぐる旅番組『Are You Sure ?!』(ディズニー+)を見てやり過ごすしかなかった2024年夏が、何だかやけに遠い過去のようではないか。
そろそろ本腰を入れて、BTSの再始動を歓待する準備をしなければ。でも具体的に何をする? ならば、ここはひとまず、BTSイヤーを駆け抜けるための準備がてら、肩慣らしに聴きたい名曲をあびまくればいい。という単純極まりないぼくの思考力だけれど、改めてBTSで一番好きな曲は?と尋ねられたら、迷わず「Permission to Dance」だと答えられる。ベタな選曲で申し訳ないが、BTSといえばの代名詞「Dynamite」と言わないだけ、まだマシだと許してほしい。などと戯言を並べている場合じゃないんだ!
「Permission to Dance」は、2021年7月にリリースされた。前年8月にリリースされた「Dynamite」が、K-POPアーティスト史上初の全米シングルチャート(HOT100)首位に躍り出た快挙を大いなる呼び水として、「Permission to Dance」もまた首位を獲得した。BTSによる全米チャート登頂全6曲のうちの大粒ナンバーである。ぼくは同曲のライブ映像がたまらなく好きで、毎晩YouTubeで見返しているくらいだ。
例えば、2021年放送の『音楽の日』(TBS系)に出演したときのパフォーマンス映像。日本のテレビ初披露。カラフルなセットの中、イントロの一音を耳にするまでもなく、メインボーカルJUNG KOOKが軽快に歌い出す。ヴァース終わり、JIMINからJINに歌い継ぎ、コーラス(サビ)で再度JUNG KOOKが躍動する。この順番は、何度見たって、聴いたって、新鮮な気持ちで胸踊る。そこからV→JIMIN→RM→JINのフローの心地よさは、もう悦楽の域に達する。
でも重要なのは、JUNG KOOKによる歌い出しのすぐあとにある。5フレーズ目、RMが歌う「Just sing along to Elton John」という箇所だ。ぼくはこのフレーズを最初耳にしたとき、へぇ、BTSがエルトン・ジョンの名前を口にするのか、確かにポップスの新旧スターの間接的な接続ではあるよなぁくらいに思っていた。この曲がエルトンフォロワーであるエド・シーラン共作の筆によるものだとあとから知って、もううなづくうなづく。とにかくエルトンの曲に合わせて歌う楽しさを意味するフレーズが、RMの担当パートであることに意義を感じた。
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修。 クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。 女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、 テレビドラマ脚本のプロットライターなど。2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。