公開日 2023/12/30 20:00
変更日 2024/09/04 11:41
SEOUL, SOUTH KOREA - AUGUST 03: South Korean actress Go Youn-Jung attends the Disney+ 'Moving' a press conference at the Grand Intercontinental Hotel on August 03, 2023 in Seoul, South Korea. (Photo by Han Myung-Gu/WireImage)
毎年追い切れないほどの高クオリティドラマが続々誕生している韓ドラ界。本記事では、韓国の映画誌シネ21が実施した映画評論家、記者と共にテレビ評論家計27人が選ぶ、2023年を輝かせた韓国ドラマシリーズTOP10を専門家のコメントと共にご紹介します。日本で人気の作品から、本国で話題の隠れた名作まで一気にチェック!
兵役義務により入隊した青年が、軍の脱走兵を追跡する部隊に配属されることに。任務にあたるなかで、脱走した兵士たちがそれぞれ抱える過酷な現実が見えてくる。
陸軍憲兵隊の軍務離脱逮捕組「D.P.(Deserter Pursuit)」という斬新な素材で、累積再生回数が約1,000万回を超えたキム・ボトン作家のウェブ漫画が原作の、Netflixのオリジナルシリーズのシーズン2。
今まで触れられなかった韓国の徴兵制の闇に迫り、 韓国でも「2021年最高のNetflixオリジナル作品」との声も上がっているシーズン1は、百想芸術大賞では「作品賞」をはじめ、三冠に輝きました。
シーズン2では変わらない現実と不条理に絶えずぶつかる軍隊の現実を描き、高い評価を得ました。そして、さらに強力になったアクションと、豊かになった感情演技を見せたチョン・ヘインの演技には、「チョン・ヘインではないアン・ジュノは想像できない」「キャリアの頂点に達する演技力」と、絶賛の声が上がりました。
前編の成功を牽引したウィットある方法を和らげ、角を立てて問題の核心を狙う突っ込みを発揮することで、作品の存在理由を証明した。
トランスジェンダー軍人と韓国戦争脱営兵を並置することで、時代を問わない問題意識まで盛り込んだ。続編ができる選択と集中のベストプラクティス。
韓国を代表する財閥スニャングループに忠誠を尽くしながら、あっけなく切り捨てられて銃弾に倒れたユン・ヒョンウ。彼が目を覚ますとそこは、ソウルオリンピックを翌年に控え、民主化へと突き進む激動の1987年だった。スニャングループ創業者チン・ヤンチョル会長の孫チン・ドジュンの体に乗り移り、2度目の人生を歩むことに。
自分の殺害を指示した人物の一族として生きることになったヒョンウが一発逆転を狙う、新たな人生ゲームの行方は…
本作は、同名のウェブ小説を原作に、財閥総数一家のリスクを管理する秘書が横領の濡れ衣を着せられて殺害され、財閥家の末息子に回帰して人生2回目をおくるファンタジードラマ。熾烈な財閥家の経営権の争いはもちろん、原作は実在する財閥サムスンをモデルに書かれているそうで、韓国の経済に影響を及ぼした近代史がうまくドジュンの復讐ストーリーに組み込まれていているのが面白いところです。
先の読めないストーリーにぐんぐん視聴率を伸ばし、最終回は26.9 %という2022年最高となる高視聴率を記録した本作。どこへ向かうかわからない緊張感あふれるストーリーと、「演技力が極限に達した」と絶賛されたイ・ソンミンの熱演には絶賛の声が相次ぎました。
新階級社会韓国に対する怒りを、最も低いところでの復讐で解き明かした<ザ・グローリー>とは異なり、最も高い所でそれを解き明かした。
ウェブ小説原作がドラマ化される最高の事例。
扉の外は別世界だ。扉を開けると、そこには悪鬼がいる。悪鬼に取り憑かれた女と、その悪鬼が見える男が、5種類の神体を取り巻く疑問の死を暴くオカルト・ミステリー。
亡くなった父親の遺品を受け取って、悪鬼に取り憑かれた貧しい生まれのク・サニョン。鬼と神を見ることができる民俗学者ヨム・へサンと出会い、悪鬼に関する真実を追いながら、自分が知っていた世界とは全く違う世界と向き合う物語。
本作は、『シグナル』『キングダム』シリーズなど、数々の名作を手がけてきたスター作家、キム・ウニの新作。悪鬼に憑かれた女とその悪鬼が見える男が持つ“神体”を巡る謎の死を暴くオカルトミステリースリラー。
キム・ウニ作家が放つ緻密な脚本と世界観に引きずり込まれると共に、俳優陣の圧倒的演技力に序盤から魅せられ、沼ハマりする人が続出!特にキム・テリの熱演には絶賛の声が相次いでおり、「来年の百想芸術大賞ノミネート間違いなし!」とも言われています。
象徴と挑戦的なテーマが複雑な神話と調和した<悪鬼>は、SNSが発達した今の時代の醜さ、つまり他人のものを盗んで探る行動を、悪霊という民俗学的物語を通じて表現した優れた作品。
多くのオカルトホラー物が、雰囲気を造成する目的で怪奇なシーンを演出する場合が多いのに対し、富を蓄積するために青年の欲望を搾取するという<悪鬼>の怪物は、叙事と直接的につながった。