公開日 2025/04/21 15:00
変更日 2025/04/21 15:00
SEOUL, SOUTH KOREA - APRIL 15: Jin of boy band BTS attends Netflix's "Kian's Bizarre B&B" Press Conference on April 15, 2025 in Seoul, South Korea. (Photo by Han Myung-Gu/WireImage)
キアン84がスケッチする宿を具現化するバラエティー番組『キアンの破天荒ゲストハウス』が、Netflixで配信されている。宿スタッフとしてBTS JINが出演しているのだが、これがもうとにかく最高過ぎる。JINソロ出演からむしろBTS再始動の話題を感じずにはいられなかった。コラムニスト・加賀谷健が、本作に出演するJINを解説する。
BTS JINは、グループ曲でもソロナンバーでも、張りがあってストロングなロングトーンととても繊細な声色の表現があざやかである。でもその声色が豊かなのは、何も歌唱に限った話ではない。むしろナチュラルに近い状態でいるバラエティー番組出演中の方が、より心地よい声色かもしれない。
日本語を発するときのJINに感じるときめきは特筆すべきである。2024年6月に除隊したJINが、除隊後初めて日本のバラエティー番組に出演したのが、『相葉トリミングin韓国』(日本テレビ系)だった。共演者である相葉雅紀を韓国で迎え、保護犬施設でのロケ。施設に近づく。建物の中から犬の鳴き声が聞こえる。するとJINが「いまワンワンですね」と思わず日本語でリアクション。ナチュラルで張りのある声色にのせた「ワンワン」にときめかないはずがない。
あるいは、BTS公式YouTubeチャンネル「BANTANGTV」で、JINが担当する「Run Jin」に、日本から松重豊が出演したエピソード26。韓国のサウナ施設を舞台に、松重とグルメをかけたさまざまなゲームに挑戦した。そのゲーム中、こちらもいたってナチュラルに佇んでいる松重のアクションに対して、JINがしきりに「可愛いですねぇ」とコメントしていた。そんな風に慎ましくも手放しにコメントできるJINさん、あなたが一番可愛いんだよ。などと、こちらはひたすらときめきながら、もうとにかく彼の声色の虜になっている。
「Run Jin」は、YouTube特有のリズムで編集されているため、映像のテンポがいい。というか、韓国バラエティーというのは、たぶん総じてテンポ感がかなり計算されて作られているのだろう。テンポはいい感じ、番組内容もほどよくいい加減なバラエティー番組『キアンの破天荒ゲストハウス』がNetflixで配信中で、これにレギュラー出演するJINが、絶妙に神がかっている。
『キアンの破天荒ゲストハウス』は、番組ホストであるキアン84がスケッチした理想の宿を鬱陵島に具現化、そこにくる一般の宿泊客を接客するというコンセプトだ。スタッフもキアンが発案する理想的布陣として、チェ・イェウンとJINが招聘された。どんな宿なのかまったく知らずにやってきたイェウンとJINは、キアン84の構想と番組タイトルにある破天荒なイマジネーションに唖然とする。メイン宿は、海上に浮かぶ遊園地のような作り。でもいざに行ってみると、その日はちょうど台風。さすがに海上宿は危ないということで、そこを一時閉鎖して、別館へ。
別館は海から翻って山にある。それもとっておきの山奥。別館まではどう見ても不安定な足場のモノレールでしか行けない。かなり不安そうなJINがモノレールの真ん中席に座る。出発進行(買い出し後に再び乗るときに「ブンブン」と出発進行気分を尊く代弁してくれる!)。草むらをぬって、ぐんぐん。山奥ならではの風景にJINの気持ちも徐々に高まる。別館に到着というところで、JINがメイン宿に対するプランBだとはしゃぐ。その瞬間、編集効果が施されたカメラが2回ズームバック。彼らを乗せたモノレールが大ロングで写る。このダイナミズム。JINがナチュラルに発したプランBきっかけで画面上は一気に躍動する。
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修。 クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。 女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、 テレビドラマ脚本のプロットライターなど。2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。