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台湾アカデミー賞5冠、ダークホラーミステリー『返校 言葉が消えた日』が7月30日より公開!

公開日 2021/07/13 17:23

変更日 2024/06/20 20:01

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台湾の黒歴史を描いた人気ゲームを元に実写映画化して大ヒット!第56回金馬奨(台湾のアカデミー賞)で最優秀新人監督賞など5部門を受賞したダークミステリー『返校 言葉が消えた日』をご紹介します。

1945年、日本の半世紀における植民地支配から台湾は解放され、その後、中国での内戦に敗れた蒋介石率いる国民党が政府を台湾に移します。

物語の背景にある「白色テロ」時代とは、1949年以降の戒厳令下において国民党が反体制派に対して政治的弾圧を行ったものです。集会・結社・言論の自由などが制限され、反体制派の摘発に利用され、一般市民にも軍法が適用されたのです。それから約40年もの間、国民に相互監視と密告が強制され、多くの人々が投獄、処刑され、まるで現在の北朝鮮のような暗黒の時代でした。

台湾に親日家が多いのは、国民党に支配されていたときより、日本が統治していた時代のほうがずっとマシな暮らしだったからとも言われています。現在の与党、民主進歩党の有力者には「白色テロ」の被害者やその支援者が多いそうです。

作品の舞台となる1960年代も戒厳令のため、人々の権利と自由はことごとく奪われていました。そんななかで架空の翠華高校では、発禁本を読む読書クラブが教師を中心に秘密裏に活動していたのです。メンバーの生徒たちは貴重な小説をノートに書き写し回し読みする。でも、それは見つかれば捕まり命を落とすこともあったリスキーな行いでした。

ヒロインのレイシンは放課後、眠りから覚めると同じく校内にいたジョンティンと謎と怪奇に満ちた校内を探索し、その真相を突き止めていきます。
ストーリーが進むたびに静かな波紋を広げるように、じわじわ恐怖と緊張を刺激してくるのです。最初は謎に満ちていた物語の断片がしだいに明らかになっていきます。

ちなみに、1962年、日本では昭和37年。高度成長政策により経済が急速に発展した時代でした。

東京都の人口が1,000万人を越え、テレビ受信契約者が1000万突破。後楽園ホールがオープンし、ジャニーズ事務所もこの年に創業されるなど、多くの人々が娯楽を享受する時代の入口だったわけで、台湾とは雲泥の差があったのです。

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