公開日 2021/07/13 17:23
変更日 2024/06/20 20:01
台湾の黒歴史を描いた人気ゲームを元に実写映画化して大ヒット!第56回金馬奨(台湾のアカデミー賞)で最優秀新人監督賞など5部門を受賞したダークミステリー『返校 言葉が消えた日』をご紹介します。
ヒロインと一緒に校内を探索するジョンティン役のツォン・ジンホアはなんと本作が映画デビューなのです。
オーディションで万単位の応募者から、スター性を買われ選ばれただけあって見事、期待に応えました。
1997年12月30日生まれ。身長181センチ、きりりとした目元の精悍な顔立ちが、頭の回転のよさに注目した教師から読書クラブに勧誘され、生き生きと活動する利発で真っ直ぐなジョンティンにぴったり。
その反面、ヒロインに一目ぼれするも話しかけられないシャイな表情は微笑ましい。
まだデビュー間もないにもかかわらず、昨年はドラマ『次の被害者』で主人公を演じるジョセフ・チャンの少年時代を演じ、注目を集めました。
さらに戒厳令の解除直後の台湾を舞台に、同性愛の高校生を描いた映画『君の心に刻んだ名前』(Netflix で公開中)に主演し、友情と愛情の間で葛藤する主人公を時に激しく、時に繊細に演じ、高い評価を得ました。
本作はBL作品の枠を超えた大ヒットとなっているのです。
今後、ますます俳優として大きな輝きを見せるに違いないツォン・ジンホアから目が離せません。
映画版の30年後を舞台にした連続ドラマ『返校 DETENTION』(Netflix で独占配信中)も制作され大きな反響を呼んでいます。
心機一転、新たな生活を始めるため田舎の高校に転校してきた女子生徒。そこで待っていたのは、思わぬ裏切り、不可解な現象、そして呪われた秘密…。(Netflix 公式サイトより)
オリジナルの登場人物を主人公にして、原作の後日譚を交えてストーリーを構成しているので、映画を観たらこちらも観たくなること確実です。
台湾は、1980年代後半から民主化への道を歩み始め、2019年にはなんとアジア初同性婚が認められるまでになりました。でも、今ある自由は、戒厳令時代を経て、苦労を積み重ね勝ちとってきたものなのです。
ホラー映画というエンタメ性を加えながら、言論の自由が抑圧された社会への批判というメッセージがしっかり練り込まれいるところが見どころの『返校 言葉が消えた日』
台湾の白色テロ時代のリアルをホラーと心に響くヒューマンドラマに落とし込んだ本作で、その進化をぜひ感じとってください。
作品情報
2021年7月30日 よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。
監督 ジョン・スー
脚本 ジョン・スー
出演 ワン・ジン ツォン・ジンファ フー・モンボー チョイ・シーワン
配給 ツイン
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