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【K-boardインタビュー】外見至上主義の闇に切り込むアニメ映画『整形水』の監督チョ・ギョンフン

公開日 2021/09/21 17:10

変更日 2024/06/20 19:09

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韓国で大ヒットし、日本では「LINEマンガ」で独占配信中のオムニバス作品『奇々怪々』内の「整形水」がアニメ映画化されました。顔を浸せば思い通りの容姿に変えられる“奇跡の水”を巡り、主人公が直面する闇を描く本作のチョ・ギョンフン監督にオンラインインタビューし、この映画を通して伝えたいことなどを伺いました。

 

 
――今回は、韓国ではアニメーションとしてはあまり馴染みのないホラー、スリラーのジャンルの作品を作られましたが、今後もこの路線の作品を作る予定でしょうか? また、新たに挑戦してみたいジャンルはありますか?

◆韓国の諺に「良い波が来た時に櫓を漕げ」というのがあります。今、私に波が来ているようですので(笑)、引き続きホラーのジャンルで、韓国の巫俗をモチーフにしたオカルト・ホラーものを次の作品として作る予定です。そして、私がぜひ撮ってみたいのは、ダーク・ファンタジーベースのミュージカル・アニメーションです!

――それは面白そうですね。ぜひ、観てみたいです!

◆ありがとうございます。

――監督は、日本のアニメ『うちの三姉妹』に携わったことがあるそうですが、韓国と日本のアニメーション制作において、特に違いを感じるのはどのような点でしょうか?

◆やはり、日本のアニメーションというのは、何と言っても伝統がありますよね。そして、経験に裏打ちされた根本的なものが確立されていると思います。職人気質を持って、1つ1つ丁寧に、根気よく、緻密に作り上げてきた作品がたくさんありますので、それが伝統となって大きな力を持っていると思います。

 韓国のアニメーションの方は、まだ歴史が浅いので、「韓国のアニメーションというのはこういうものだ」と言うには、まだ実績が足りない気がします。それをこれからどんどん補っていく必要があると思いますし、韓国のアニメーションはこれだというものを作り上げる目標を叶えるために、手段や方法を選ばずに、とにかく何でもやってみるという大きな力が韓国のアニメーション界にあるのは確かです。なので、これから韓国アニメーションも、国際的な競争力を持った、とても楽しめる作品が次々と生まれてくると思います。
 
 

©2020 SS Animent Inc. & Studio Animal &SBA. All rights reserved.

 
 
――今日はインタビューに応じていただき、ありがとうございました。では最後に、K-boardの読者が『整形水』を観に行きたくなるような強力なお薦めコメントをお願いします!

◆最後に、とても難しいお願いをされましたね(笑)。私は、今回『整形水』のアニメを作りながら、制作の途中で既に数百回は観ていたのですが、ある日、ディレクションをするためにもう一度観たら、自分がのめり込んで観ていることに気づきました。この『整形水』は、1回観ると感情移入できて、完全にハマってしまうような作品だと思いますし、何度観ても面白いです。

 そして、日本のアニメとは、またひと味違った韓国ならではの味があると思います。韓国ですので辛い味と言いましょうか。独特の韓国の味が感じられる、とても楽しめる作品なので、多くの方に観ていただきたいです!
 
 

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取材・文/清水久美子
 
 

インタビュー ホラー 今週始まる 韓国映画

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