【K-boardインタビュー】音が聞こえない、叫び声も出ない…『殺人鬼から逃げる夜』クォン・オスン監督

まとめ

公開日 2021/09/22 17:10

変更日 2024/06/20 19:09

韓国発、新時代の“逃走〈サイレント〉スリラー”『殺人鬼から逃げる夜』。この斬新な映画を送り出したクォン・オスン監督は、本作が長編デビュー作とは思えないほど、観客をグイグイと引き込む力を発揮しています。メールインタビューに応じてくれたクォン監督が本作についてたっぷりと語ってくれました！

最高のキャスティング

　
――チン·ギジュさんは、会社員、記者、モデルを経て俳優になったという異色の経歴の持ち主です。今回、彼女がギョンミを演じることになった経緯を教えてください。

◆チン･ギジュさんが、異色の経歴によって注目を集めたことは聞いていました。しかし、『殺人鬼から逃げる夜』のギョンミ役のキャスティングでは、そのような経歴はいっさい考慮せず、演技力だけを見ました。基本的にチン･ギジュさんは、とても自然な演技が得意です。キャスティングのためにチン･ギジュさんの端役から主演まで、全ての作品を見ましたが、どんな役でも自然にそのキャラクターになり切っているのを見て、ギョンミのキャラクターを演じたら、誰よりも見事に演じてくれるだろうと確信が持てました。
　
　

チン·ギジュ

　
　
◆キャスティングが確定した後、プリプロダクションの段階で、たくさんの話をしながらギョンミの役作りの過程を見守りましたが、誠意を込めてギョンミのキャラクターを作ろうと並々ならぬ努力をしているチン･ギジュさんに、改めて感嘆しました。『殺人鬼から逃げる夜』を見るたびに、チン･ギジュさんがギョンミになってくれたのは、最高のキャスティングだったと思います。
　
　

　
　
――殺人鬼のドシクは見栄えが良いためか、警察官でさえアッサリと騙すことができます。ドシクという人物は、どのようなアイデアから生まれましたか？

◆シナリオを書いている過程で連続殺人犯について、かなりリサーチしました。そこで知ったのは、殺人犯の外見は一般人と特に変わらないということでした。キャラクター作りを進めていく中で、私たちの周囲で普段よく目にするような平凡な、あるいは好感の持てる外見の人物が、状況によってガラリと変わる殺人犯だったら、その違和感がさらに恐怖を増幅させるだろうと思いました。
　
　