COLUMN コラム

BTS JUNG KOOKとの共通点から探るENHYPENマンネNI-KIの魅力を解説!

公開日 2025/01/15 20:00

変更日 2025/01/15 20:00

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7人組K-POPグループENHYPENの末っ子メンバーであるNI-KIの存在がどうも気になる。なんだろう、この言葉いらずで見る者を圧倒し、心とろかしてしまう才能は。イケメン研究をライフワークとするコラムニスト・加賀谷健が、BTSジョングクとの共通点などからNI-KIの魅力を解説する。

NI-KIのためだけに用意された花道

2024年にリリースされたK-POPグループのシングルで、たぶん一番聴いたのは、ENHYPENの「No Doubt」(2024年11月11日リリースのリパッケージアルバム『ROMANCE : UNTOLD -daydream-』タイトル曲)だと思う。ある音楽媒体から、同曲を含むK-POPナンバーのミュージックビデオに特徴的なスーツルックについてのコラム執筆依頼があり、何度も繰り返して聴き込んだのである。まずサウンド面として、イントロ冒頭から印象的な休符が使われていたことに魅力を感じた。

ミュージックビデオでは、その休符の合間をねらって移動するかのようなカメラワークによるトラッキングショットが繰りだされる。どこかのオフィス内を写したカメラがイントロ中に勢いよく後退して、ENHYPENのメンバーが続々フレームインするというギミックだ。中でも3人目に、画面上手からフレームインしてきたNIKIを見て、目が釘付けになった。なんだ、この美麗を極めたような存在感は。

「NI-KI」と記名されたIDカードのアップまで写る。その固有名詞をはっきりと見るまで正直なところぼくは、このNI-KIというアーティストに特別な関心をもっていたわけではない。にもかかわらず、「No Doubt」冒頭のフレームインの瞬間を見てしまったら、恥ずかしげもなく彼の存在感を今さら称えたくなる。上手から余裕然と歩くNI-KIが、後退を続けるカメラに対して不意にクロスする。下手側にあるデスクまでのこの動線が、ただ彼のためだけに用意された花道のように感じた。

視線の微動とワンアクションで心をとろかしてしまえる存在

うだるような熱気にあえぐ同ミュージックビデオの世界では、最初スーツを着こんだメンバーたちが徐々に衣をぬいでいく。プールサイドではジャケットを脱ぎ、最終的にはNI-KIが打壊した壁の先でレザールックに衣装替え。その間、彼はカメラ目線になったり、上下に若干視線を移動してみせるだけであり、壁を打ち壊す動作意外は、ほとんど微動しているに過ぎない。NI-KIとは、視線の微動とひとつのアクションだけで見る者の心をとろかしてしまえる存在なのである。

こうしたNI-KI的運動の特性がより微細に表現されているのが、「XO」(2024年7月12日リリースの2ndフルアルバム『ROMANCE : UNTOLD』タイトル曲)のミュージックビデオである。曲自体はどこかジャスティン・ビーバーの「Peaches ft.Daniel Caesar,Giveon」を思わせながら、オーガニックなソウル感がある。トラックに身を委ねて、映像を見ていると、停車する車内にいるNI-KIが窓から左腕をだす。次のカットでカメラは車内に置かれ、下手側にNI-KIがさっと目線を遣る。

車外と車内が通底する、このわずかな視線移動の間に、クールな視線の彼が込める一瞬の表現力は並外れている。「Kiss me」のフレーズが歌われるパートでは別カットで、やや煽りぎみのカメラ目線が捉えられる。「No Doubt」の視線の微動とワンアクションとセットで、ひたすらNIKIの視線移動をキャッチできるオートマティックな仕組みみたいなものがある。

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BTS ENHYPEN HYBE NIKI ジョングク ニキ

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WRITER INFOライター情報

加賀谷健

コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修。 クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。 女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、 テレビドラマ脚本のプロットライターなど。2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。