織物工場に勤務するごく普通のサラリーマンのサンヒョン(チョン・ジェヨン)は、数年前に妻をガンで亡くして以来娘のスジン(イ・スビン)を男手一つで育ててきた。しかし、残業ばかりの父親に対し娘は不満顔。ある朝、不機嫌な様子のまま登校し、サンヒョンが仕事から帰ってきても家にスジンの姿はなかった。心配するサンヒョンのもとに届いたのは、スジンが冷たい死体となって発見されたという残酷な知らせ。最愛の娘の死によって無気力となるサンヒョン。そんな彼の元に犯人の情報を記した匿名メールが届く。メールに書かれていた住所を訪ねると、暴行された娘の動画を見て笑う男がいた。その瞬間、理性を失ったサンヒョンは衝動的にその男を殺してしまう。
COMMENT & REVIEWこの作品の感想・評価(3件)
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yanyan
娘が無惨な姿で殺されてしまったことから、犯人の少年たちに復讐を誓う父親の姿を描いたサスペンス。東野圭吾原作で、日本でも実写化されている作品ですが、韓国映画らしい泥臭さがあって良かったです。主人公のサンヒョン(チョン・ジェヨン)は、証拠残しまくりの計画性のない復讐をしていくのですが、その姿が逆に「復讐しか考えていない自暴自棄さ」を体現していて、心苦しさを感じます。復讐心から鬼、獣のような姿になっていく感じに圧倒されました。サンヒョンを追う刑事役のイ・ソンミンもよかったけれど、やっぱりこの作品はチョン・ジェヨンの演技がすごかったと思います。少年犯罪についても考えさせられる悲しく胸糞な復讐サスペンスでした。
まつり
東野圭吾による小説の映画作品。日本でも制作されましたが、韓国版は父親の心理描写が丁寧に描写されている気がしました。そのため娘を失ったことで抱えていくことになる喪失感や悲しみ、そして犯人に対する憎悪が色濃く感じられます。犯人の家に忍び込んで、娘の最期を知ってしまう場面は本当に辛かったし、やるせなかったです。父親を演じるチョン・ジェヨンも良かったけれど、凶行を阻止しようとする刑事を演じたイ・ソンミンも印象的でした。
ねね
よくある復讐サスペンスといえばそれまでなのですが、最愛の娘を失ったお父さんの絶望、憎しみ、悲壮感がすごくて最早人間であることを捨てたくらいの気迫に引き込まれました。ストーリーも面白かったのですが、主人公を演じた俳優さんの演技がとにかく印象的。ラストはやるせなかったです。