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【全話解説】ドラマ『あなたの番です -反撃編-』第11話、横浜流星扮する不穏な隣人の空気感

公開日 2021/07/29 17:30

変更日 2024/06/20 14:32

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人気若手俳優として不動の位置を占める横浜流星。その人気ぶりは日本を越えて韓国にも及んでいる。2020年には第15回ソウルドラマアワードでアジアスター賞を受賞。その受賞理由となった話題のドラマ『あなたの番です -反撃編-』(2019)で演じた「二階堂忍」役の謎めいた魅力に迫るべく、11話から全話を解説していく。

(C)NTV

最愛の妻が何者かに殺害され、失意に沈む翔太(田中圭)は、二階堂にAIによるプロファイリングを依頼する。AIは、機会学習によって飛躍的な想像力を発揮する。現状では人間がデータを入力していかなければならないが、膨大なビッグデータに裏打ちされたAIのアルゴリズムによる演算は、人間のように感情に左右されることなく、正確な結果を瞬時に叩き出す。さらにAIの技術は今後、人間の心理をハッキングするようになり、個人情報が筒抜けの超管理社会が実現するとも言われている。そんなAIを研究する二階堂がマンションの住人データをパソコンに打ち込んでいくと、これまで正体を隠していた犯人像があっという間に浮上するかにみえる。

ミステリー小説かぶれの翔太の推理力は人間的な直観に基づいているが、最新の人工知能を駆使する二階堂の助力によってロジカルで隙のない推理が可能となる。自由奔放なホームズとそんな彼を身近で支えるワトソンを思わせるような関係性。このデコボコ探偵コンビが事件を解決する日は近いかもしれない。だがデータの入力者である二階堂がプロファイリングの対象になっていないことも見逃してはいけない。ある日突然現れた彼のミステリアスな存在感はAIの明快さとは対照的に謎を深めるばかりだ。

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WRITER INFOライター情報

加賀谷健